2026年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

2026年4月 5日 (日)

ゴーチ・ブラザーズ主催「ポルノ」本多劇場

<2026年4月4日(土)夜>

坂の多い町で弱者に優しい生活を訴えて立候補する男は、家では子供が欲しいと女から望まれるも、選挙でそれどころではない。選挙で有利になるために女に頼んで自分で足を折ると、ある日その女は若者の足を折って攫ってきて自分たちの子供だと言い出し男が慌てるが、選挙を考えてそのまま自宅での監禁を続けることを決める。その町で活動する着ぐるみ劇団では、団員が減って仕事が少なく、男のビラ配りをアルバイトで手伝う若者と、元劇団員の女性とが付合っている。また別の元劇団員の女性はテレビに出始めて運が向いてきたが立候補の男に坂から突落されて足を怪我して自宅療養していたが、ある日見知らぬ男性が入り込んで仰天する。早いファンかと思いきや家事全般をこなして妖精を自称する男を怪我した足では追出せずにそのまま日が過ぎるが。

同じ町を舞台に中編3本からなる長塚圭司の初期阿佐ヶ谷スパイダース時代の1本を、今回は松居大悟が演出。藤谷理子が見せつけて小野寺ずるとうぇるとん東がいい感じも、メインの1本で前田敦子が野田地図で何を学んだのかという映像向け演技で大ブレーキ、玉置玲央がそれに付合ってデチューンの演技でどっちつかずに終わる。筋だけ追っても犯罪交じりの歪な愛の話だし、初期阿佐ヶ谷スパイダースはエロありグロもっとありの脚本ばかりだから、役者のテンションが大前提。今からでも巻返してほしい。

ケムリ研究室「サボテンの微笑み」シアタートラム

<2026年4月4日(土)昼>

昭和初期ごろの東京、両親を亡くして長い兄妹。兄は温室で花を育てて気が向いたら売り、妹はめったに外出しないが、財産があるので暮らしていける。兄も妹もほとんど付合いはないが、兄が病気の療養でお世話になった元看護婦の夫妻と、兄妹の幼馴染で小説家になった男だけは年賀状をくれる程度の付合いがある。ある年、この夫妻と小説家が珍しく兄妹の家を訪れることが重なる。

いわゆる「いい人」が、自分からいろいろ動いて相手を見つけるのではなくたまたま知合って好意を持たれた相手にそれ以上の好意を抱いてしまうこと、なのに自分から積極的に相手を誘って楽しむでもなく2人きりになっても上手な会話を目指して間が持たないこと、優しさは自分が好意を持つ相手と嫌う相手とを区別せずに相手かまわず他人が傷つくのを防いで波風立たせないようにする形でのみ表現されること、好意を持っている普通の人なら自分から意識して距離を縮めていくこと、を芸達者な役者でこれでもかと表現する3時間10分。オチも含めて解像度が高すぎる。演技の基準が他よりもやややり過ぎなところにある赤堀雅秋と、狭い劇場で百面相を駆使する緒川たまきが、兄妹のいたたまれなさにはまり過ぎ。プロジェクションマッピングなしの固定舞台も、盆を使った無意識の好意の距離と、見えてもガラスで隔てられている庭向こうの温室とで場面を回す技術は職人芸。

2026年3月23日 (月)

ホリプロ/東宝企画制作「メリー・ポピンズ」東急シアターオーブ

<2026年3月22日(日)夜>

遊び盛りでいたずら好きな子供2人の家庭教師を探しては辞められてしまうバンクス家。父親は仕事に忙しく母親が新しい家庭教師を探そうとしたところ、急にやって来たメリー・ポピンズを雇うことにする。不思議な出来事が続くので子供たちは驚くものの却って警戒していたのだが・・・。

傘をさして空を飛ぶのとチムチムチェリーくらいしか知らなかったので観劇。子供の家庭教師だったのがそのうちもっと、という王道展開のよく出来た話だと知れて納得。いい歌が多いのと踊りまくるので楽しめた。役者はそれぞれソロでの完成度が高いものの掛合いがまだこなれておらず、これは複数キャストのプレビュー公演2日目でこの日の全員初日なのでこれからよくなるはず。メインキャストで一人だけ挙げるなら煙突掃除バートの小野田龍之介、あとコロスというかバックダンサーたちの踊りがよく動いていてよい。

後日のためマルチキャストのところだけメモ。メリー・ポピンズが朝夏まなと、バートが小野田龍之介、ジョージ・バンクスが小西遼生、ウィニフレッド・バンクスが知念里奈、バードウーマン/ミス・アンドリューが樹里咲穂、ブーム提督/頭取が安崎求、ミセス・ブリルが久保田磨希、ロバートソン・アイがDION、ジェーン・バンクスが辻乃之花、マイケル・バンクスが中西縁。

2026年3月 7日 (土)

Dialogue!「101分のペリクリーズ」シアター風姿花伝

<2026年3月7日(土)夜>

とある地方の領主ペリクリーズ。王の姫君に求婚するもその裏の話に気が付いて逃げ出す。船が難破して命からがらたどり着いた国で王の姫君と求め求め合い結婚するも、元の国に戻る船がやはり嵐に遭い妻は亡くなり娘だけが残される。元の国に戻って王となるため娘を世話になった国の領主夫妻に預けて育成を頼むが・・・。

だいたいこの粗筋で3分の2くらい。現代の服装に所々挟まるノリと勢いのよい演出でテンポよく進んで本当に100分で終わった。初見でも筋は分かりやすく迷うところなく、出演者の熱意は等しく高く、これが最高の上演とは言わないまでもシェイクスピアの精神としてはこれが正しいのではないかというくらいすんなり観られて楽しめた1本。アフタートークでもあったが槍勝負の場面を応援側で表現したのはよい演出。

この回はアフタートークあり。演出家と、自信もシェイクスピアを上演する瀬沼達也との対談。長いシェイクスピアを心配して周りに聞いたら休憩なしの100分が適当となったのでこの時間。タイトルは100分だと語呂がいまいちなのと時間きっちり終わらないと怒られるかもしれないと考えたから。まともに上演したら3時間コースのところを100分ありきと決めてテキストをカットしたが、そこはそれなりに展開も考えての上で実施。一部の台詞を他のシェイクスピア作品から持って来たり、女神の夢の場面を乳母の夢枕に変えて日本人に親しみやすいようにしたりと工夫もあり。観やすかったのは演出家の考えた構成も預かって大と得心。

2026年2月24日 (火)

2026年3月4月のメモ

チケット買えるかどうかで様子を見ながら、何本観られるか。

・Dialogue!「101分のペリクリーズ」2026/03/04-03/08@シアター風姿花伝:まだ観たことのないシェイクスピア演目なので

・松竹主催「三月大歌舞伎」2026/03/05-03/26@歌舞伎座:昼が「加賀見山再岩藤」の通しで夜が「三人吉三巴白浪」だけどどうしよっかなー、くらいの気持ちで

・円盤に乗る派「『いまのところまだ存在しているわたしのたましいが……』」2026/03/12-03/15@吉祥寺シアター:名前を見かけるのでピックアップ

・世田谷パブリックシアター企画制作「コーカサスの白墨の輪」2026/03/12-03/30@世田谷パブリックシアター:ブレヒトの有名演目の1つなので

・劇団印象-indian elephant-「藤田嗣治 ~白い暗闇~」2026/03/19-03/24@東京芸術劇場シアターウエスト:何となくひっかかったので

・「砂の女」製作委員会主催「砂の女」2026/03/19-04/05@紀伊國屋ホール:安部公房は相性が悪いのですけどこれくらいは1度観たほうがいいのではないかと

・サルメカンパニー「水の間の子供たち」2026/03/28-03/31@東京芸術劇場シアターウエスト:近頃人気急上昇中ですが今回は重い演目の気配

・ホリプロ/東宝企画制作「メリー・ポピンズ」2026/03/28-05/09@東急シアターオーブ(2026/03/21-03/27プレビュー):実はまったく内容を知らないので一度観ておきたい

・ケムリ研究室「サボテンの微笑み」2026/03/29-04/19@シアタートラム:KERA新作です

・ゴーチ・ブラザーズ主催「ポルノ」2026/04/02-04/12@本多劇場:長塚圭史を初めてみたのがこれで酷い話からのラストで持って行かれた気分を覚えている、今回は演出が松居大悟

・新国立劇場主催「椿姫」2026/04/02-04/12@新国立劇場オペラハウス:有名演目なので

・松竹主催「四月大歌舞伎」2026/04/02-04/27@歌舞伎座:昼に菊五郎勘九郎七之助で「裏表先代萩」、夜に「連獅子」と井上ひさしの「浮かれ心中」

・EPOCH MAN「The Closet Revue」2026/04/05-05/04@ザ・スズナリ(2026/04/04プレビュー):前回がよかったので期待

・ドナルカ・パッカーン「女の一生」2026/04/08-04/12@座・高円寺1:森本薫の代表作と言われているのでピックアップ

・パルコ・プロデュース「メアリー・ステュアート」2026/04/08-05/01@PARCO劇場:宮沢りえと若村麻由美の女王対決で演出は栗山民也

・シス・カンパニー企画製作「新宿発8時15分」2026/04/09-04/26@日本青年館ホール:三谷幸喜の新作ミュージカル

・野田地図「華氏マイナス320°」2026/04/10-05/31@東京芸術劇場プレイハウス:新作です

・セルリアンタワー能楽堂主催「万作狂言会」2026/04/12@セルリアンタワー能楽堂:もうチケット売切れていますけど

・ウンゲツィーファ「8hのメビウス」2026/04/15-04/20@BUoY:関係者が出ていた別作品で興味を持ったので

・万作の会「野村狂言座」2026/04/16-04/17@観世能楽堂:こちらは2日公演です

・「ドリアン・ドリアン」製作委員会「DURIAN DURIAN」2026/04/18-04/26@I'M A SHOW:脚本演出が村角太洋です

・エイベックス・ライブ・クリエイティヴ/シーエイティプロデュース主催「ナルキッソスの怒り」2026/04/18-04/30@東京芸術劇場シアターウエスト:成河の1人芝居を藤田俊太郎演出で

・小宮孝泰プロデュース「知らぬが仏、見ぬは極楽」20260/4/28-05/03@小劇場楽園:チラシのインパクトと元ネタの事件とでピックアップ

・KOKAMI@network「トランス」2026/04/28-05/10@本多劇場:割と有名な脚本なので

あとからいくつか足すかもしれませんが取急ぎ。

<2026年3月7日(土)追記>

2本追加。他にも気になった芝居をチラシ経由でいくつか見つけてはいるのですが、そこまで観に行く時間がないため割愛しています。

<2026年4月5日(日)追記>

2本追加。

駅前劇場とOFF・OFFシアターも改修でしばらく休館

こちらはビルの改修に伴うもので5か月です。公式サイトより。

駅前劇場/OFF・OFFシアター

TAROビル改修工事に伴う休館について

この度、当劇場が入居しているTAROビルの改修工事に伴い、下記の期間について、駅前劇場、OFF・OFFシアター共に休館とさせていただきます。
劇場をご利用いただいている団体様、劇場へお越しいただいているお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます

休館期間
2026年3月2日(月)~7月31日(金)

何でもメンテナンスは必要なのでしょうがない。ここでしっかりメンテナンスを済ませて安心して観られるようになってほしいです。

世田谷パブリックシアターが改装で一時休館

1年以上前に発表されていたのにすっかり見落としていました。公式サイトより。

2024年11月15日

世田谷パブリックシアター(主劇場)一時休館のお知らせ

世田谷パブリックシアター(主劇場)は天井および舞台設備等の改修工事のため以下のとおり休館いたします。
ご利用の皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。

【休館期間】令和8年4月1日~令和9年3月31日(予定)

【対象施設】世田谷パブリックシアター

※シアタートラムは通常通り営業いたします。
※休館明けの劇場使用申込みの受付時期につきましてはあらためてお知らせいたします。

ここで休館期間が明けて2027年4月1日となると、ちょうど芸術監督の交代期になります。なるほど、それに合せて必要な改修は済ませておこうということと思われます。

そして野田秀樹。東京芸術劇場の芸術監督は3月いっぱいで終わりますし、今年の野田地図は4月に幕を開けて海外公演を挟んで8月に終わります。何となく来年の野田地図公演も4月から始めるとちょうど収まりがよさそうですね。改修後のオープニングを新芸術監督就任記念として自作で飾るとか、ありそうですね。次期芸術監督、誰になるでしょうか。答え合せはおそらく今年の12月。

国内芝居「お梅は呪いたい」の上演延期の話

小説原作の舞台化が上演延期になりました、という話です。公式サイト「舞台『お梅は呪いたい』上演に関するお知らせ」より。日付はファイル名の通り、2026年1月23日発表です。

このたび、2026年2月に上演を予定しておりました舞台『お梅は呪いたい』につきまして、関係各所・出演者・スタッフと慎重に協議を重ねた結果、誠に残念ではございますが、公演を延期させていただく判断に至りました。

お客様に安心して作品をお楽しみいただくため、また関係者が十分な環境のもとで作品づくりに向き合えるよう、
主催・制作側として整えるべき準備と体制を見直す必要があると判断し、今回の決断に至りました。

本公演にご尽力くださっている藤崎先生、祥伝社の皆様、スタッフ・出演者・マネージメント各社、劇場関係者の皆様、
そして、なにより、クラウドファンディングを通じて応援してくださった皆様、
すでにチケットをお買い求めいただいている皆様、
本作にお心を寄せてくださったすべての皆様に、
多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。

延期後の公演時期、出演者等の詳細につきましては、改めて準備が整い次第、公式に発表させていただきます。
なお、チケットの払い戻しやクラウドファンディングに関する対応につきましては、下記よりご確認ください。
(中略)
本来であれば、このような判断に至らぬよう進めるべきところ、主催・制作側の至らなさにより、
多くの皆様にご迷惑をおかけする結果となりましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

舞台『お梅は呪いたい』製作委員会

「主催・制作側として整えるべき準備と体制を見直す必要があると判断し、今回の決断に至りました」と書いているくらいなので主催・制作側に責任があるのでしょうが、それならどのような判断があったのか。それは普通、表に出る話ではないのでわかりません。ただ、主催・制作がどこなのかというと、「『お梅は呪いたい』製作委員会」とだけあって具体的な体制がさっぱりわかりません。

この製作委員会という体制は映画やアニメでよく見かけますが、私の中途半端な知識によれば、作る側にかなりの責任がかかり、金を出すのは製作委員会ですが損をしても出した金以上の損は払わず、儲けは製作委員会側が大半を取って、出来上がった製作物の権利も製作委員会が持って行くという、あまり評判のよくない体制という偏見があります。もちろん金を出すのは大事ですし、作り手がどのように関わるかの実際は契約次第でしょうし、宣伝や運営も製作委員会側が持ちます。

ただ、この芝居はクラウドファンディングで費用を集めているのですよね。300万円目標に対して1回目が不発で、2回目がほぼ95%で、合せるとほぼ100%まで集めています。別にクラウドファンドで資金を集めていけないことはありませんし、実際に上演に際してクラウドファンドで費用を集めている芝居を見かけたこともありますが、製作委員会の体制にはあまり馴染まないものです。ちなみに集まった金額に関わらず払われるAll-in形式ですが、返金は2月いっぱいまで受付けており、冒頭のお知らせの中略部分にURLがあります。

支援金の使い道には以下が挙げられていました。

設備費
人件費
広報/宣伝費
リターン仕入れ費
人形をはじめとする小道具製作費、英語字幕製作費などを含む公演制作費
※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

実際、今時の物価で300万円では上演費用には足りないことは、一度真面目に計算したことがあるのではっきりしています。しかもクラウドファンドなら手数料も2割くらい持って行かれます。だからチケットを買ってくれるお客様探しの面が大きいと思います。

これがやらかし上等で費用を集めていたのかというと、そうとも言い切れません。というのも、上演台本と演出に松村武を、主演に高田聖子を呼んでいるからです。別にこの2人と個人的な接点は皆無なのですが、少なくとも詐欺の片棒を担ぐような人たちとは思えません。

ここであらためてクラウドファンドのリターンを見てみます。原作者のアフタートークが入っているくらいなので、それなりに信用できる体制で進める予定だったはずです。

3,000円 公演パンフレット+非売品手ぬぐい
5,000円 稽古場見学参加権利+公演パンフレット+非売品手ぬぐい
15,000円 バックステージツアー+公演チケット+稽古場見学参加権利+公演パンフレット+非売品手ぬぐい
30,000円 藤崎翔さんも参加の特別アフタートーク参加券+特別アフタートーク回公演チケット
+バックステージツアー+公演チケット+稽古場見学参加権利+公演パンフレット+非売品手ぬぐい
100,000円 クレジット入り 非売品カンパニーウェア+公演パンフレットにクレジットを記載※映像化されるの際にはエンドロールにもクレジットを記載+全部セット(30,000円リターンと同様の内容)

そこでもう一度「主催・制作側として整えるべき準備と体制を見直す必要があると判断し、今回の決断に至りました」に戻ります。

本当に当てずっぽうの予断でしかないのですが、原作者が元芸人ということで、原作者に近い芸能関係者で、かつ舞台業界に詳しくない人がいたとします。舞台化したら面白そうとノリで始めて周りに声をかけたら、それなりに人が見つかったので上演しようと製作に入ります。ところが舞台を1本作るにも様々な苦労があり、次々と出てくる問題を解決するにはそれなりに各分野に通じていないといけません。しかも勢いで借りた劇場がまだ新しいキャパ508席の飛行船シアター(東京)で10日間13ステージと、346席の西文化小劇場(愛知)で2日間2ステージ、もちろん仕込みは別。赤字を出さないためにチケット代を13800円で設定してみたものの、お前は「ハリー・ポッター」と勝負するのかという値段では客入りが覚束ないのは想像に難くありません。あれこれやってみたものの、このまま進むと赤字で死ぬとギブアップした。そんな物語が浮かびました。

当てずっぽうは当てずっぽうでしかないのですが、延期と言い丈、このまま中止になっても驚きません。そんな舞台の上演計画があった、という話です。

海外ミュージカル「バーレスク」の上演中止

1月に発表されて、続報があるかと待っているうちに書きそびれた話です。公式サイト「ミュージカル『バーレスク』公演中止のお知らせ」より。日付が入っていませんがたしか2026年1月9日発表で、上演予定が2026年5月から8月まで東京大阪福岡でした。

 弊社梅田芸術劇場では、ミュージカル『バーレスク』日本版公演の上演権を取得し、実現に向けて入念に制作における準備を進めてまいりました。しかしながら、誠に遺憾ではございますが、本公演の実施を断念せざるを得ない状況となりました。

 本公演を心待ちにしてくださっていたお客様には、このようなご報告となりましたこと、心より深くお詫び申し上げます。あわせて、公演の実現に向けてご尽力いただきました日本キャストならびにスタッフの皆様に対しましても、多大なるご迷惑をお掛けいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。

 このたびの事態を重く受け止め、今後はこれまで以上に真摯に舞台制作に取り組み、皆様に信頼していただける舞台エンタテインメントをお届けできるよう、誠心誠意努めてまいります。

 何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

 株式会社梅田芸術劇場

補足でステージナタリーから記事を拾っておきます。

本作は2010年に公開された、クリスティーナ・アギレラ主演のミュージカル映画「バーレスク」をもとにしたミュージカル。ミュージカル版は昨年7月から9月にかけてイギリス・ロンドンのウエストエンドで上演され、映画版の脚本・監督も務めたスティーヴン・アンティンが脚本、歌手・ラッパー・振付家のトドリック・ホールが演出を担当。またエグゼクティブプロデューサーとして、アギレラもクレジットされている。日本キャスト版では、元宝塚歌劇団星組トップスターの礼真琴がアリ役を務めることが発表されていた。

理由については推測するしかないのですが、たっぷり吹っ掛けられていた上演料を為替の手当てをせずに後日決裁としていたら、円安で限界を突破して、違約金を払ったとしても中止にしたほうがまし、と判断するくらいに追込まれたのではないかと想像します。

というのも、1月に発表になったということは、その前に1か月くらいはかけて関係者にごめんなさい行脚をしていたはずです。ということは中止の決定をしたのはさらにその前の10月か11月。そのころちょうど為替が一本調子で円安になったころで、ドルでもポンドでも傾向は同じ。商業芝居は上演準備が約3年とどこかで読んだことがありますけど、2023年の円高なときと比べるとドルで2割、ポンドで3割も為替が変わっています。

海外公演の上演料が国際的なドル決済なのか、現地通貨としてポンド決裁なのかはわかりませんが、これだけ変わったら算盤も弾き直さないといけません。

推測は推測でしかありませんが、なぜこのように推測したかというと、役者の責任なら意地でも代役を探してきたでしょうし、何より今回の中止の発表文章からあまり責任が感じられなかったのですよね。やらかしたのではなく、不可抗力な状況に負けたからしょうがないという雰囲気を読取りました。円安も物価の値上がりの理由1つだと全国的に膾炙しているところなので関係者も諦めがついたというべきか。本来は為替も商売のリスクの1つなので、本当に為替が理由ならやらかしたことには変わりないのですが。

ともかく、中止になったミュージカルの上演計画があった、という話です。

ACT.JT主催「第12回 立合狂言会」国立能楽堂

<2026年2月23日(月)昼>

妻の実家に初めて挨拶に向かうのに儀礼を教えてもらおうと人に尋ねたら「音曲聟」。せっかく育てた作物を荒らしに来る鳥や獣を追払ううちに夜になり「狐塚」。旅人を泊めることまかりならんとお触れが出た中で旅の僧が一夜の宿を借りるために工夫する「地蔵舞」。宝を守るために夜に一人で見回りをすることになった「杭か人か」勝手に休んだ太郎冠者を叱るために出掛けた主人と次郎冠者だが居留守をつかわれて「叫声」。旅の鬼が人里を求めて歩くうちに夫の留守を一人で守る妻の家にやって来て「節分」。主人が留守の間に米蔵と酒蔵を守るように言いつけられて「樋の酒」。師匠の言いつけを言葉通りに守ろうとして「重喜」。金の値段を訊いてくるように言いつけられた太郎冠者だが勘違いして「鐘の音」。長命の薬となるかたつむりを探すように言いつけられて探した藪の中には山伏が休んでいたが「蝸牛」。

全体評では演目の順序は考えてほしいところ。狂言の演目は今風に呼べばネタ1つの短編をテンポ極遅の20分かけて上演するので、明るい演目といえどもそれだけで感心するのは難しい。身体か声のフィジカルを早目に押し出してわかりやすく感心する取っ掛かりから流れを作ってほしいところ。今回でいえば「叫声」「鐘の音」あたりか。個別評は出来を評するほど見きれなかったので省略。ただ、声が大きくてはっきりしているのはいいが、声質がきんと響く演者の多いことが気になった。古典ならもっと深い声を目指してほしい。

演者演目を一度に知るには丁度良いと考えて臨んだものの、前半5本後半5本で押して4時間40分コースは不慣れな古典を観るはさすがに体力が厳しい。とは言え、始まってすぐに寝ていた客も1人や2人ではきかなかったがあれはいったい何をしに来たのかと疑問もあり。生の舞台は客席から話を掴みに行くことも求められるもの。休憩時間に帰った客はむしろ良心的で、後半始まっていきなり正面席でいびきが聞こえたのはさすがに演者に失礼。

«劇団アンパサンド「歩かなくても棒に当たる」東京芸術劇場シアターイースト