松竹製作「朧の森に棲む鬼」新橋演舞場
<2007年1月6日(土)夜>
口先は天下一品だが喧嘩には弱い男。その口先を駆使して欲望のままに生きてきた男だが、迷い込んだ朧の森で鬼と契約し、朧の剣を手に入れる。直後に出会った武将を朧の剣で倒したことをきっかけとして、男は自分が王になるという野望を抱く。その野望を叶えるべく、武将の国に赴き、王や武将の妻に取入っていく。
いのうえ歌舞伎の松竹協力版。染五郎を主役に、新感線のメンバーや豪華なゲストを配役。徹底的に悪い男を主人公にするというのは、これまでの新感線を考えるとちょっと珍しい。
役者では主人公の弟分の阿部サダヲと、武将の妻の秋山菜津子が絶品な仕上がり。古田新太は盗賊団の頭領だが、いつにない役どころでむしろ新鮮。
ただ、肝心の主人公である染五郎が、悪人役をこなしきれていない。悪い男の凄みが感じられない。この人は格好いいが、二枚目よりは三枚目のほうが似合っている気がする。脚本がよく、周りのレベルも高いだけに、もったいない。
そうはいっても全体としては大満足。当日券でものすごくいい席が取れたので、チケットのない人も挑戦してみては如何。
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