五反田団「いやむしろわすれて草」こまばアゴラ劇場(ネタばれあり)
<2007年3月18日(日)昼>
父と四姉妹の一家。父親が八百屋を切盛りし、病気がちの三女は自宅ではいつもベッドで臥せっている。それからしばらくたった後。三女は入院し、八百屋はたたまれた。そんな両方の時代をあわせて描かれる一家の群像劇。
再演物。病気とか、仕事とか、親の面倒とか、結構ありがちな問題を真正面から捉えたものすごいストレートプレイ。いろいろな出来事や言動が三女に絡まる展開。亡くなる入院仲間の話、三女の憂鬱がタイトルとつながる瞬間、意味を明示せずに泣いて終わる最後など、こんな話が書けたんだ前田司郎。何かを観客に伝えるときにできるだけ遠回りして伝える手法など、五反田団というより青年団に近いのでは。
約90分と短めだったとはいえ、密度は2時間ものと同様だったこの芝居で、一瞬を除いて出ずっぱりの端田新菜(三女)はお見事。あと、怒り方がとても上手だった兵頭公美(長女)がよかった。
家のベッドと、病院のベッドとの場面転換がものすごいあっさりしていて、わかるぎりぎりになっている。すごい演出だ。
再演するだけのことはある芝居。内容だけでもおすすめだけど、値段を考えたら、ものすごくおすすめ。
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