パルコ企画製作「コンフィダント・絆」PARCO劇場
<2007年4月14日(土)夜>
エッフェル塔が建築中の頃のパリ。当時無名の画家であるゴッホ、ゴーギャン、スーラ、シュフネッケルの4人は共同でアトリエを借りていた。芸術家として成功を目指すという点で繋がれた性格も経歴も違う4人だったが、モデルとして雇った女性をめぐって、その違いが露になっていく。
三谷幸喜の新作。共同でアトリエを借りたりとか、そういうのが事実かどうかはわからないけど、そんなことは関係なく楽しめる。モデル(堀内敬子)が歌いだしたときは「うわーこまつ座かよ」と思ったけど、堀内敬子の歌は上手だし、芝居中の歌の量は控えめだし、生ピアノだと違和感が減るし(むしろお洒落)、実は歌詞がよく出来ているし、いいアクセントになっていた。
それぞれの画家の性格をはっきり演じ分けた、華も実もある役者4人は言うことなし。個人的には生瀬勝久と寺脇康文が特によい。ドタバタで笑わせるは中盤の1回だけ。三谷作品の女性はエロ皆無でロマンティック路線全開だけど、まあ誰も三谷幸喜にエロは期待していないだろうからよし。
生ピアノだけでなく、劇場ロビーに4人の作品を飾るあたりも、お洒落でいいです。
連続成功で有頂天真っ只中な三谷幸喜による、身もふたもない芸術論の本作は、今まで観た三谷作品の中で一番面白い。まずは鑑賞能力がないと始まらない(大意)というのは今回一番気に入った言葉。値段高いしチケット売切だけど、観られるものなら観ておけというお勧め作品。
あと、自分はロートレックだと三谷幸喜本人が思っていることに100ペリカ。
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