こまつ座&シス・カンパニー 企画製作「ロマンス」世田谷パブリックシアター(若干ネタばれあり)
<2007年8月14日(火)昼>
貧困に悩まされながらも医者として身を立て、やがて作家として認められたチェーホフの一生を描く。
何と言うか、これ以上あまり説明しようのない芝居。医者としていろいろな形の貧困に悩まされるのが前半。結婚した妻に振回されるのが後半。「ロマンス」という単語が時々出てくるけれど、それ以上ではない。
6人芝居なので役者が複数の役を兼ねるのはよくある事。出演者の実年齢の幅が広いので、ちょっとした役でも適任者がきちんと割当たる。チェーホフを男性4人で演じ分けて年齢を重ねていったのは面白い。けど、44歳で亡くなる直前の役を木場勝己に担当させるのは、ちょっとやり過ぎ。妹役はずうっと松たか子が担当しており、こちらは年をとらなさ過ぎ。大竹しのぶと入替わると思っていたけど。
終盤に脚本家と演出家の見解にかんする討論の場面があるけれど、それを除けばいたって「普通」の芝居。普通の芝居が悪いわけではないけど、主役を張る役者ばかりをそろえてこの普通さはないでしょう。締切を守った井上ひさしにはこんな脚本しか書けないのか、それとも面白い脚本を演出家が台無しにする二重構造を楽しめというのか。3時間強の立見で脚が疲れた私は、あえて毒づいてみる。
ちなみに当日券には50人くらい並んでいましたけど、1人2枚まで買えるので、列の半分くらいで売切れて以降立見になっていました。
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