THE SHAMPOO HAT「その夜の侍」ザ・スズナリ(ネタばれあり)
2007年10月6日(土)夜
女を轢逃げした男。女の夫は今でも妻のことが忘れられない。服役が終わって出所した男は働こうとしているが、その元に殺人の脅迫状が毎日届く。脅迫状に書かれた決行の日はすぐそこまでせまっている。
血の気の多い人間が出てくるのは良くあることだけど、いつもと違って場転の多い芝居。場転だけではなく、なんというか、いつもは登場人物の葛藤を表現することに集中していたけど、今回は登場人物同士の相互影響を時間軸を上手に使って表現したというか。
どこかおかしい登場人物は孤独で、やばそうでもそれなりにまともな登場人物は一緒に過ごす人がいるというのも、はっきり分けすぎだけど、そういうものかもと思ってしまう説得力。そういう孤独を強調するような照明の使い方がまたよい。
クライマックスの夜の場面は、赤堀雅秋渾身のお説教というか、愛というか、真剣すぎてしびれるくらい。いったいどういう心境でこんな場面を書いてしまったのだろう。
安定度抜群の役者と相まって、佳作です。こういう芝居はあんまり観られるものではないので、それも考慮すれば一見の価値有りです。
ただ安定度の欠片もなかった受付陣には文句あり。当日券発売直前まで整列スタッフを配置しなかったこと、「自由席でお客さんがあふれて座れていません」というチケット管理、空いた席に案内するときに前の人間を後ろの席に回す無神経、結局15分は遅れた開演。
これが21回目の公演って冗談じゃないのか。統括に野中隆光がクレジットされているけど、同姓同名の別人でなければ、出演役者が統括する段階はもう過ぎたんじゃないのかと、制作面は有能な専門家を連れてこいと、言いたくもなります。
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