メジャーリーグ主催「野鴨」シアター1010ミニシアター
<2007年11月23日(金)夜>
19世紀後半のノルウェー。裕福な事業家の息子は、事業欲の強い父に嫌悪を抱いている。事業に絡んで父が芸術家である友人の父を破滅に追いやったと思い悩む息子は、何とかして友人の活力を取戻すべく、彼の所有するアパートに居を移す。
観終わった最初の感想は「なんて邪悪な芝居」。どの程度原作を脚色したのかはわからないけれど、もう邪悪な要素満載で脇道がほとんどない。で、規模を無視した手抜き一切なしのキャスティング。うーん、誰を誉めればいいかこまる。絶賛。
いかにも公民館なスペースを通り抜けると突然現れる、噂どおり巨大な美術。客席がおまけに見える。室内が舞台なのに森を作るというその発想は凄い。で、どうも音響が妙に気になると思ったら生演奏。贅沢。
これらを生かしきった演出もすごい。今までの評判だとタニノクロウってもっとアングラな芝居を創る人かと思っていたんだけど。休憩時間にロビーに掲示されている記事を読んだら、この芝居は今までと全然違うものみたい。
ただし、思いっきり見切れの席を引いてしまった。選択の余地はあったんだけど、最初に勧められた席を選んだら見切れるし、役者やスタッフの通り道に近すぎて姿勢も縮めないといけないし、あれはいかん。あと3連休の初日とは言え、あれしきの座席数も埋まらないようでは、スカスカ感は免れない(ちょうど近くの席が空いていたので)。だからといって役者の演技に手抜きはありませんでしたけど。
もうひとつ言うと、当日券の発売は30分前って聞いたはずなんだけど、それより早く買えた。なんか連携というか連絡が行届いていない運営だ。
ただし11月の丸一ヶ月公演のおかげで、観ることができたことには感謝。まだ1週間あるので、邪悪な芝居の好きな人とか、正義病が嫌いな人(笑)はぜひどうぞ。当日券で観るつもりなら発売の有無は事前に確認した方がいいです。
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