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2008年2月 4日 (月)

劇団新感線「IZO」青山劇場(ネタばれあり)

2008年2月2日(土)夜

幕末の日本。階級の特に厳しい土佐の足軽である岡田以蔵は、友が切腹を命じられた際の出会いを機に武市半平太の道場に弟子入りする。武市の結成による土佐勤王党の一員となった以蔵は、尊皇攘夷に反対する勢力を京で暗殺する役割を担う。土佐の幼馴染で先に京に出てきていたミツは、そんな以蔵に戸惑いつつも思いを寄せるのだが・・・。

グリングの青木豪を脚本に迎えたいのうえ歌舞伎の新作は、幕末の史実に現代を重ね合わせた感動の一品。笑いを控えめにしてもここまでできることを実証した新境地。

まったく個人的な意見ですが(個人的でもないか)、現代という時代は産業革命に匹敵する変化が世界規模で起きている時代だと思っています。そんな時代では世界の流れをよく見て、自分の立ち位置を明確に意識して、どのように自分を通すか、常に注意しないとやっていけません(できてないですけど)。それが幕末の、現状の制度の理不尽さに疑問を持つ以蔵の態度や、開国すべきか否かに揺れる日本人の苦悩に、ぴたりとはまりました。成功要因の半分は青木豪の脚本です。

以蔵は武市に喜んでもらうことを望み、武市は土佐藩主にほめられて喜び、その藩主は徳川家に忠誠を誓う。そんな関係をミツの叔父に「侍というのは誰かに言われないと自分では何もできない哀しい身分だ」と言わせる台詞が、思いっきりツボにはまりました。いやもうサラリーマンとして最近(以下略)。

そんな関係が続くなかで無学と蔑まれていた以蔵が「天は動くものでございます」と言って、その言葉の意味に気がつく武市と聞き流す藩主との対比とか、いやもうサラリーマンとして最近(以下略)。

そういう脚本を上演するに当たって、新感線でいつもおなじみの面々だけでなく、木場勝己や西岡徳馬のようなベテランから、森田剛や戸田恵梨香のような若手まで満遍なく配置するあたり、いい意味での商業演劇っぽさを取入れています。池田鉄洋が意外なほどはまっていたのは評判どおりでした。京、土佐、薩摩と言葉指導のスタッフに3人も用意するなど、細かな点にも手間をかけています。

観れば間違いなく感動の一品なんですが、では絶賛かというとそこは言わせてもらわないと。映像操作のミスで「ご来場ありがとうござ」と上演中に表示されてしまったのがひとつ。この規模の芝居でよりによってああいう操作ミスは勘弁して。もうひとつは森田剛の演技。役どころもあるし、声が枯れていたのは見逃すとしても、絶叫と泣き言しか演技の引出がないのはいただけない。戸田恵梨香がとてもしっかりした演技だったため、余計気になった。

若くて(若く見えて)格好よくて殺陣が上手い役、そういう役がこなせる演技の上手な役者は誰が似合うのか、いつも考えるのだけど思いつかないんですよね。うーん。

まあそれを差引いても面白い芝居です。この舞台となった時代は約150年前。徳川300年の治世にも及んでいませんが、激動の時代がやってくるには十分な時間。そんな感覚を持ちながら観ると、よりいっそう興味がわくと思います。

今回のチケットは当日券で買ったのだけど、これは今後の人気劇団の標準方式になる可能性がある面白い方法(よくある方法?)だった。なので別途エントリを起こします。

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コメント

あんたはクレーマーかい?
自分は人を批評できる人間性があるのかい?

芝居も演技も人によって感想が違うのが当たり前です。まして立見に8000円払った観客には、これくらいの批評は許されて当然。これをクレーマー呼ばわりするあなたの人間性がわかりません。

わざわざ「森田剛の評判」なんて言葉を使って検索しているけど、あなたがファンだとしたら、むしろ贔屓の引倒しです。

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