松竹製作「羊と兵隊」下北沢本多劇場
<2008年7月19日(土)夜>
時代は不明だが戦時下にある日本らしき国の、製靴業者の社長の自宅。軍靴の特需で業績が拡大し、その縁で元舞台女優だった長女が軍の高官の息子の目にとまり、婚約話が持上がる。その挨拶が行なわれるある日の夜、本来同席するはずの長男が遅れて戻る。家族が長男に接する態度がどこかよそよそしい。
あんまり書くとつまらないのでこの辺で。相変わらず情報量が多すぎてしかも情報を見せようともしない岩松了による、家族劇ってことでいいのかな。そのわからなさも含めて楽しめる人にはお勧めの一本。個人的にはそのわからなさをものすごく楽しみました。ラストの(自粛)まで含めて、目が離せません。50代後半突入しているのにこのキャストにこんな芝居を書けるって、若いな岩松了。
小劇場ではあり得ない役者の顔ぶれ。有名無名含めて実力者ばかりですよ。ツボはやはり面白メイド役の田畑智子。あの衣装であのキャラでツンデレって、ぜったい狙っただろ岩松了(笑)。いやメイドやツンデレではなく、キャラに受けたんですが。それと先生役の高橋理恵子の滑舌のよさも楽しんだ。こんな風に書いていますけど、シリアス芝居ですよ念のため。
今回は照明と衣装がよかったな。窓の外の光の色とか、みんな汚しが入っている衣装とか、意味ありげでよいですよね。
で、たぶん観た人みんなが思うであろうお約束の一言ですが、この芝居で空席ありって宣伝下手すぎ、もったいなさ過ぎ。それを無理に埋めようとするから、客席で飲み物飲んだり、開演前にフラッシュ付で写真をとったりする客が集まるんだ。なんか本多劇場では珍しく、客層に統一感のない公演だった。
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