Bunkamura企画製作「女教師は二度抱かれた」Bunkamuraシアターコクーン
<2008年8月9日(土)夜>
小劇場出身の演出家が歌舞伎役者と組んだ舞台の企画が進行中。初顔合わせに集合する最中に、演出家はかつて高校演劇部の顧問だった教師と会い、歌舞伎役者が起こした事故を目撃してしまう。その場は何とか丸くおさめるが・・・。
松尾スズキ x シアターコクーン x 歌舞伎役者の第2弾は、染五郎を主役に据えた屈折青春物語、みたいな話。面白いネタはふんだんにありますけど、結構あっさり仕上げた感じ。がっつり濃い目を期待していくと肩透かしかも。
大人計画の面々も、ゲストの面々も、物語に馴染んでいるんですけど、染五郎だけがどうも浮いているというか、それが狙いなのかもしれませんけれど、うーん。
あと、マイクを使っていたのも残念でしたね。コクーンでこの面子ならマイクなしでも大丈夫じゃないかと思うんですけど。
そうは言っても芸達者ばかりなので、その点は安心して観られます。個人的には阿部サダヲと平岩紙と市川実和子がよかったな。
以下ネタばれらしいネタばれではないですけど、事前情報を欲しくない人は読まないで下さい。
今回は染五郎を演出家に、阿部サダヲを歌舞伎役者にキャスティングして、歌舞伎らしい所作は全部阿部サダヲにまかせて、染五郎は「演技のできない男」の役になっていた。たぶん松尾スズキは、歌舞伎らしい所作や様式を全部無視した松尾流現代歌舞伎に挑戦したかったんだと思う。あるいは自分の普段やっていることが十分歌舞伎になっているという確信みたいなものがあったとか。「ずっこけ」の動作をたくさんやっていたのも、現代版の歌舞伎で見得というかポーズの代わりだったんじゃないかと想像。
そしてそれが何となく上手くいっていないのは、やっぱり染五郎が馴染めていないためと、阿部サダヲが妙に上手に歌舞伎っぽい動作をこなしてしまうためではないかな、と思う。
ひょっとしたら後半に化けるかもしれませんが、今のところはそんな印象です。
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