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2008年8月31日 (日)

無駄に充実していて困る9月のラインナップ

いつも9月ってこんなに充実していたっけな。時間とお金がないから困るんですけど。

 

ま、何を観て何を切るか、考えるためのメモです。順不同。

 

    • 青年団「ヤルタ会談」アトリエ春風舎:観たことない平田オリザの芝居。期間が短いのと場所がネック。

 

    • 松竹「赤坂大歌舞伎」赤坂ACTシアター:演目に「狐狸狐狸ばなし」が入っているから。けどKERA演出を超えられるかな? 高いのとチケットが買えるか不明なのがネック。

 

    • シスカンパニー「人形の家」Bunkamuraシアターコクーン:名前だけ聞いたことのある有名な芝居を宮沢りえを筆頭に豪華な役者で。値段がネック。

 

    • ナイロン100℃「シャープさんフラットさん」下北沢本多劇場:フルメンバーにゲストを迎えてダブルキャストで。悔しいけど両方観る。

 

    • THE SHAMPOO HAT「葡萄」ザ・スズナリ:あんまり宣伝を見かけないけど大丈夫か。日程が他と重なっているので評判しだいで。

 

    • 俳優座劇場プロデュース「東京原子核クラブ」俳優座劇場:すでに一度観ているが名作なのでまた観たい。スケジュール次第。キムラ緑子が代わったのが残念だけど小飯塚貴世江は継続登板。

 

    • アトリエダンカン「悪夢のエレベーター」シアタートラム:キャスティングにひかれて。でもたぶん見送り。

 

    • 世田谷パブリックシアター企画制作「The Diver」世田谷パブリックシアター:野田秀樹の英語芝居。これは観ないと。

 

  • 新国立劇場主催「近代能楽集」新国立劇場小劇場:三島由紀夫の有名演目。役者は重厚に、演出家は冒険で。観ておきたいけどどうするか。

 

東京原子核クラブは内容が内容だから、お盆期間に上演すればよかったのに(そうすれば確実に観に行けたのに、っていう愚痴です)。

 

 

 

2008年9月1日追記:ここにも困っている人がいた。38本+αって、破綻していますな。

2008年8月24日 (日)

芝居初心者の最初の1本にはパルコ劇場をお勧めする

fringeより

小劇場界にいま必要なのは、普段芝居を観ない/これから観たいと思っている方へのアドバイスであって
(中略)
小劇場に最初の一歩を踏み入れようとしている方にとって必要なのは、原石ではなく、すでに輝いているダイヤモンドなのです。

小劇場に最近愛情の足りない私が通りますよ、っと。

元エントリは芝居全体というよりは「小劇場」の観客数を増やすことを目的としているという理解を前提に。

最初の1本が大事だというのは同意。ただ私は、芝居初心者にはまず「面白い芝居もある」という認識を植えつけたほうがいいと考えている人間です。なので初心者は小劇場よりも商業演劇から入ったほうがいいのではないかと思っています。日本酒を飲まず嫌いなひとにはまず久保田の万寿(適当)をなめさせてみる、みたいなもんです。小劇場は面白いといわれているところほど尖ってナンボみたいなところがあるので、癖の強い酒でいきなり「飲めるか、飲めないか」の選別を迫るよりは、徐々に慣れてもらったほうが抵抗もすくないだろうし。

じゃ期間限定が当たり前の芝居で、万寿の代わりに何を勧めるんだという問題になります。銀座の商業演劇は非常に大味(偏見です)だし、出ている役者からして小劇場と違いすぎて、あとにつながりません。

なので、小劇場で見出されたひとたちが常に多数活躍しており、ある程度の面白さはまず保証できるという点で、パルコ劇場の芝居を提案したいと思います。注意点としては、たまにパルコ劇場も短期間の上演期間で実験してくることもあるので、2週間以上の上演期間が確保されている公演に絞ること。

まあ、きつい話が嫌いなのに「SISTERS」に当たるとか、ホラーが嫌いなのに「ウーマン・イン・ブラック」に当たるなんていう可能性はあります。それでも、役者の技量とか、スタッフワークとか、舞台の見易さとか快適さとか、劇場までのアクセスとか、そういう部分での拒否感はまずないはずなので、初心者へのお勧めのしやすさとしては、個人的には一番です。

価格が高いのと、人気公演のチケットの入手のしにくさとが課題に残りますが、最初にこれを体験しておけば、そこから安くておいしい酒に誘導するのは、それこそしのぶさんメールマガジン他にお任せってことで。

ちなみに、私が最初に自分から芝居を観たときには、たしか連休中にいくつかの劇場で何本か観て回ったのですがことごとくはずれで(今となっては名前すら思い出せない)、こんなもんかなーと思ってました。で、紀伊国屋書店で本を探していたら行列を見つけて、なんだろうと思ったら名前だけ聞いたことのあった惑星ピスタチオの「大切なバカンス」の当日券列で、ためしに並んでいたら余ったチケットを偶然売ってもらえて、ああ、面白い芝居は面白いんだと実感させてもらいました。あそこで観ていなかったら、今ほど芝居を観るようにはならなかったと思います。

なので最初に自分で観た芝居は、自分の中では「大切なバカンス」ということになっています。2003年没って早すぎるんだってば。

2008年8月20日 (水)

お盆に読んだ本2冊

芝居に関係するこんな2冊。

1冊目は松尾スズキの「演技でいいから友達でいて」。たくさん並んでいた松尾スズキの本を本屋で眺めていて、これだけ対談集だったから買った。対談相手が豪華ですよ。文庫本だしお買得。ただ、演技に興味がある人にはものすごく面白い本だけど、演技に興味がない人だと意味が半減する本です。

こちらの人は他の本を読んで「史上最低につまらなかった」と書かれていますが、四季が好きな時点で、松尾スズキは合わないだろうなと思う。

松尾スズキはある程度長編で本領を発揮する人だと個人的には思っていますので、週刊誌のエッセイを集めた本だとつらいと思う。その点この本は、実力が拮抗している相手とまとまった量の対談をしているから、対談相手と松尾スズキの演技論とか舞台論が全快です。最近こういう話が少しだけわかるようになってきた。

2冊目はこれまた対談で、平田オリザの「ニッポンには対話がない」。読んだのはお盆より少し前だけど。

いろいろためになるけど、ものすごく私のツボにはまった平田オリザの発言が1箇所。

異なる感性とか異なる価値観をすり合わせていくのは大変なことなんですけれども、それをいとわないという習慣を身につけていかないと、少なくとも異なる文化的背景を持った人とは仕事にならない。そういう精神的な体力がついていないのではないかと、学生などを見ていていも思います。

考えたり議論したりすることを「精神的な体力」と呼ぶことから、自然に身につける機会がなかったのであればトレーニングして身につけないと具わらないものだという考え方、筋肉や運動神経と同じく身につけるのに最適な時期があるはずだということ、使っていないと衰えること、なんかが想像できた。考えることが苦手な自分への示唆として、非常にためになる一文だった。

2008年8月17日 (日)

TPT「ミザントロオプ」ベニサン・ピット

<2008年8月16日(土)夜>

正直を貫き、嘘や追従を嫌うことが嵩じて人間嫌いとなってしまった男。そんな男が恋多き女にほれてしまう。

一般に「人間嫌い」と訳されることが多いモリエールの古典脚本を、辰野隆による1946年?のやや文章調子の訳で上演する企画。タイトルだけ知っていたので一度観てみたかったのと、手塚とおるの演出と、もうすぐベニサン・ピットがなくなるらしいとのことで、観てきました。初日なので関係者らしき会話がそこここで。

結果は、うーん、美術や照明はきれいでしたけど、役者はちょっとひどすぎる。前に別の舞台でも似たことがありましたけど、今回は文章体の台詞がだれも身体に入っていない。そんなに難しいのかな。さらに、ひとつひとつの長い台詞を一本調子で話されるのは困る。初日だから台詞を噛むのは大目にみても、これは楽日までに改善可能なんだろうか。公爵(侯爵?)の2人と、主人公の召使は望みあり。

美術はアクティングエリアを狭く作っていますけど、そのせいで役者の配置がワンパターンになりがち。ベッドの向こうとか柱の周りとか舞台奥とか、もっと活用してもいいのでは。衣装はきれいなんですけど、女性のドレスはもう少しつやのある生地を使ってもらえるとよかった。至近距離で楽しめる劇場ですけど、だから生地まで気になるんですよね。

当日券の購入情報が公式サイトに見当たらないのもマイナス。当日パンフやちらしが一切なかったのは、受取そこなったのかな。

これでプレビュー公演3500円ならもう少し穏やかなんですけど、5000円でこの内容だったので、辛口に書かせていただきます。これから毎日猛稽古で巻返してください。

2008年8月15日 (金)

グリングを見逃した

野田版愛陀姫を観た日に行こうと思っていたのだけど、ちょっと昼間の体調がすぐれずパス。うーん、もったいない。

それなら青木豪脚本の「ガラスの仮面」でも観に行こうかと考えているけど、遠いし、暑いし、実は「ガラスの仮面」を読んだことないし、どうしよう。

パルコ企画製作「ウーマン・イン・ブラック」PARCO劇場

<2008年8月14日(木)夜>

若い頃の仕事で忘れられない経験をした、今は老齢の弁護士。その経験に悩みつづけた弁護士は、他人にその経験を語ることで自分の悩みが吹っ切れることを期待して、経験を親族に伝えることを決意する。だが人前で上手に語る技術を持たない弁護士は、役者を雇って個人レッスンを依頼する。弁護士の書いた内容を受取った役者は、内容が多すぎることを問題視し、2人で芝居形式で演じることで、より短く効果的に伝えることを提案する。さっそく稽古を開始する2人だが・・・。

ホラー系の怖い芝居筆頭とも言える英国作品。公式サイトによれば日本での上演は6演目らしいです。細かい演出がいくつか変更されていますが、大筋はそのまま、怖さも衰えず。私は前回の上演を観ていますが、それでも怖がってしまいました。役者よし、スタッフワークよし、真夏の怪談が観たい人はぜひ。怖いものが駄目な人も一度くらい挑戦してみては如何。当日券の入手方法はPARCO劇場のサイトに載っています。

役者については、前回公演で斎藤晴彦の声が小さくて後ろだと聞こえないという苦情が結構ありましたが、おそらく今回はそこまで心配しなくていいのではないか、と思います(今回はいい席で観ていたので実際に確認したわけではないのですが)。後ろの両端の席が空いていたのですけど、声に配慮したのか、単にお盆で空いていただけなのかは不明。

何を書いてもネタばれになるのでこれ以上は書きませんが、最後にひとつだけ前回も気になったことを。スタッフは大丈夫なのか、ってことですね(笑)。

2008年8月11日 (月)

松竹製作「八月納涼大歌舞伎 第三部 野田版愛陀姫」歌舞伎座

<2008年8月10日(日)夜>

戦国時代の美濃の国。領主齋藤道三の娘である濃姫は武将の木村駄目助座衛門に思いを寄せ、駄目助座衛門は濃姫の侍女であり隣国尾張出身の愛陀と相思の仲であるが、それは二人とも濃姫には内緒である。美濃が尾張から攻込まれて軍の総大将を決める必要が出た日、祈祷師にお告げを伺って決めようとする道三の性格を利用して駄目助座衛門を総大将に任命させるべく、濃姫は城下で評判の、しかし詐欺師の祈祷師と組んで、駄目助座衛門を総大将に就けることに成功する。戦には勝ったが、捕虜として捕らえられたのは愛陀の父にして尾張の領主である織田信秀。しかも愛陀と駄目助座衛門との想いが濃姫の知るところとなり・・・。

オペラの「アイーダ」が原作だそうですが、そちらは名前しか知りませんのでどの程度原作に忠実かはわからず。一部の名前をふざけているにも関わらず、堂々たる愛の物語を、戦国時代を舞台に違和感なく上演しています。歌はなくても十分面白い話で、史実の取入れ具合も含めて、よくできています。これを1時間20分で終わらせるというのだから、野田秀樹の演出のスピーディーさがわかります(第三部前半の「紅葉狩」は1時間5分しかなかったことが信じられないくらい遅く感じたのに)。

言葉遊びや節目の独白や最後のちょっといい長台詞(笑)は野田秀樹らしい脚本。派手な動きは映像(今回は映像も使ったんですよ)にまかせて、台詞回しも極力普通っぽいまま、いかに役者に物語と演技に集中してもらうかに力点を置いた演出ですが、それが役者の実力を引出すのに功を奏しています。

七之助の愛陀姫なんて本当の女性みたいでした。詐欺祈祷師の2人の、前半と後半の差もよかったですね。他もよかったのですけど、勘三郎だけちとキャスティングがきつかったかも(苦笑)。まあ、今までは勘三郎が主役だったから、今回は他の人の見せ場もたくさんあってよかったのではないかと。

場面転換の多い美術はがんばっていましたが、途中で壁が倒れそうになるアクシデントが何度もあり、ちともったいなかったです。最後の場面の小道具?のアイディア(観てのお楽しみ)はシンプルだけどよかったですね。

ま、時間に余裕があれば観ておいて損はありません。ということで自分は観てしまったので心を広くもって(笑)、当日券情報を。

  • 前売は売切れていても、1階席(上手桟敷席前の通路 + 通路上手側の約15枚くらい:一等席と同額)と2階席(一番後ろの24枚だったかな?:6000円)に補助席の第三部通しの当日券があります。幕見で並ぶのが面倒で余裕のある人はどうぞ。これは朝から売っているので勘違いで買い逃しのないように。
  • 前半の紅葉狩も含めて花道をほとんど使わないので、距離と頭上の圧迫感が気にならない人なら2階補助席でも十分です(ちなみに今回はそこで観ました)。
  • 17時半ごろで、幕見にはざっと60人くらいが並んでいました。日によってはもっと増えると思います。2日目からそれなりに仕上がっていますので、リピーターや様子見していた人の参戦による混雑が予想される後半より、前半でさっさと観たほうがいいかと。
  • 当日券の残り具合を、電話で問合せれば教えてくれます(ちゃんとHPに書いてあります)。全部自前でチケット販売している松竹ならではのサービスですね。便利です。

2008年8月10日 (日)

Bunkamura企画製作「女教師は二度抱かれた」Bunkamuraシアターコクーン

<2008年8月9日(土)夜>

小劇場出身の演出家が歌舞伎役者と組んだ舞台の企画が進行中。初顔合わせに集合する最中に、演出家はかつて高校演劇部の顧問だった教師と会い、歌舞伎役者が起こした事故を目撃してしまう。その場は何とか丸くおさめるが・・・。

松尾スズキ x シアターコクーン x 歌舞伎役者の第2弾は、染五郎を主役に据えた屈折青春物語、みたいな話。面白いネタはふんだんにありますけど、結構あっさり仕上げた感じ。がっつり濃い目を期待していくと肩透かしかも。

大人計画の面々も、ゲストの面々も、物語に馴染んでいるんですけど、染五郎だけがどうも浮いているというか、それが狙いなのかもしれませんけれど、うーん。

あと、マイクを使っていたのも残念でしたね。コクーンでこの面子ならマイクなしでも大丈夫じゃないかと思うんですけど。

そうは言っても芸達者ばかりなので、その点は安心して観られます。個人的には阿部サダヲと平岩紙と市川実和子がよかったな。

以下ネタばれらしいネタばれではないですけど、事前情報を欲しくない人は読まないで下さい。

今回は染五郎を演出家に、阿部サダヲを歌舞伎役者にキャスティングして、歌舞伎らしい所作は全部阿部サダヲにまかせて、染五郎は「演技のできない男」の役になっていた。たぶん松尾スズキは、歌舞伎らしい所作や様式を全部無視した松尾流現代歌舞伎に挑戦したかったんだと思う。あるいは自分の普段やっていることが十分歌舞伎になっているという確信みたいなものがあったとか。「ずっこけ」の動作をたくさんやっていたのも、現代版の歌舞伎で見得というかポーズの代わりだったんじゃないかと想像。

そしてそれが何となく上手くいっていないのは、やっぱり染五郎が馴染めていないためと、阿部サダヲが妙に上手に歌舞伎っぽい動作をこなしてしまうためではないかな、と思う。

ひょっとしたら後半に化けるかもしれませんが、今のところはそんな印象です。

2008年8月 8日 (金)

実はすごい芸能人

赤塚不二夫が亡くなって、タモリの弔辞が感動ものということで評判になって、じつはあれは白紙のまま勧進帳よろしく読上げたということで二度評判になっている。

普段たいしたことがないように見える芸能人が実はすごいという経験は舞台を観ているとたまに見かける。タモリはもともとが舞台というか、よく言われる密室芸で出発した人だから、底力があるんだろう。

私が一番お勧めする「実はすごい芸能人」は黒柳徹子。徹子の部屋しか知らない人が多いと思うけど、じつは女優なんですよね。マリア・カラスを演じた「マスタークラス(再演)」を観たときには、何が降臨したのかと思った。最近は洋物コメディーばかりであまり観にいけていないけど、ああいう舞台、またやってくれないかな。

芝居好きな人なら、ものはためし、一度は舞台の徹子を観ておくことをお勧めします。

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