TPT「ミザントロオプ」ベニサン・ピット
<2008年8月16日(土)夜>
正直を貫き、嘘や追従を嫌うことが嵩じて人間嫌いとなってしまった男。そんな男が恋多き女にほれてしまう。
一般に「人間嫌い」と訳されることが多いモリエールの古典脚本を、辰野隆による1946年?のやや文章調子の訳で上演する企画。タイトルだけ知っていたので一度観てみたかったのと、手塚とおるの演出と、もうすぐベニサン・ピットがなくなるらしいとのことで、観てきました。初日なので関係者らしき会話がそこここで。
結果は、うーん、美術や照明はきれいでしたけど、役者はちょっとひどすぎる。前に別の舞台でも似たことがありましたけど、今回は文章体の台詞がだれも身体に入っていない。そんなに難しいのかな。さらに、ひとつひとつの長い台詞を一本調子で話されるのは困る。初日だから台詞を噛むのは大目にみても、これは楽日までに改善可能なんだろうか。公爵(侯爵?)の2人と、主人公の召使は望みあり。
美術はアクティングエリアを狭く作っていますけど、そのせいで役者の配置がワンパターンになりがち。ベッドの向こうとか柱の周りとか舞台奥とか、もっと活用してもいいのでは。衣装はきれいなんですけど、女性のドレスはもう少しつやのある生地を使ってもらえるとよかった。至近距離で楽しめる劇場ですけど、だから生地まで気になるんですよね。
当日券の購入情報が公式サイトに見当たらないのもマイナス。当日パンフやちらしが一切なかったのは、受取そこなったのかな。
これでプレビュー公演3500円ならもう少し穏やかなんですけど、5000円でこの内容だったので、辛口に書かせていただきます。これから毎日猛稽古で巻返してください。
« グリングを見逃した | トップページ | お盆に読んだ本2冊 »
コメント