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2008年10月14日 (火)

世田谷パブリックシアター企画制作「THE DIVER」シアタートラム

<2008年10月12日(日)昼>

放火殺人の容疑で逮捕、拘留されている女性。多重人格の振舞をするため、起訴のための責任能力が問えるかどうかを判断するために、精神科医が呼ばれる。精神科医が面接を繰返すうちに、多重人格の振舞に登場する人物は、源氏物語に登場する女性らしいことに気がつく。拘留期間が期限切れになる前に真相を見極めないといけない精神科医の努力が続く。

野村萬斎が芸術監督を務める世田谷パブリックシアターなだけに、近代能楽集と銘打っています。能の演出と野田秀樹の動く演出を使って、源氏物語を現代によみがえらせる企画です。

ってことでいいのかな。私は源氏物語は挫折した人なのですが、ざっと検索したところ、知っている人が観たらある程度先が読めたかもしれません。知らない私はどきどきしながら観ていましたが、源氏物語があんなにグロテスクな話だとは知りませんでした。というか、ある程度の改作はあるにしても、設定を現代に置換えてもあんまり違和感がないというのが発見で、それを最初に見つけたのは野田秀樹だか世田谷パブリックシアターの人だか知りませんが、着眼点がすごいです。

「決して謎が解けないサイコ・サスペンス」ということはないのですが、ひとつおおきなどんでん返しが仕込んであって、そこら辺はさすがです。

The Beeから継続出演したキャサリン・ハンターが主役の女性で、最初は地味だなと思っていたら、クライマックスの野田秀樹演じるXXXX(一応ネタばれ防止)とのやり取りの迫力がすごかったです。カーテンコールで見るとすごい小さい人なんですけど、芝居の最中は少し大きく見えるんですよね。無理なポーズがたたってカーテンコールで足を引きずっていましたけど、身体もよく動く人で、野田秀樹も幸福な出会いだったことでしょう。

ただ、軽い役とか馬鹿っぽい役とか、この路線を務める人がいないと野田秀樹の脚本(演出?)は実現できないので、その意味で野田秀樹のめっけもんは、もうひとり継続出演のグリン・プリチャードではないかと思います。

で、一応日本が舞台だったみたいですが、一部これは欧米っぽいなという場面もありまして、日本の日本人という設定なのか、英国在住の日本人という設定なのか、そこが最後まで不明でした。

でスタッフですが、近代能楽集なので和洋折衷の美術に囃子をつけたりして、衣装も工夫されていて、しかもそれが非常によく似合っていました。今回の小道具の工夫は扇子で、落語を考えると携帯電話に見立てるなどの使い方も当然ですが、人間の想像力ってすばらしいもので、ピザというのは予想外でした(笑)。

約1時間半と今どきの芝居にしては短めで、しかもそれと感じさせない密度の濃さはさすがでした。観てよかった。で、英国芝居は少人数芝居が続いたので、今度はひとつ、大人数を縦横無尽に動かして迫力で魅せる英国芝居を希望したいです。

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