Bunkamura企画製作「表裏源内蛙合戦」Bunkamuraシアターコクーン
<2008年11月15日(土)夜>
江戸時代、高松に生まれ長崎に学び江戸で活躍した平賀源内の一代記。
源内の心のうちを語る役として裏源内を配置し、活躍したとばかりは言えない源内の一生を見せつつ、江戸の風俗を描いてみせる芝居。4時間10分の大作でしたが、私はダメでした。
最初からずっと出る役は源内(表源内と裏源内)くらいですけど、それすら飛び飛びで、あとは様々な人物が次から次へと出てきます。一代記だから様々な人物が出てくるのはしょうがないにしても、落着いて役を追うことはできませんし、正直、主役の2人以外は群集扱いです。「月光のつつしみ」で上手だった篠原ともえに期待していたんですけど。
で、源内とは直接関係ない、江戸の風俗にまつわる人たちもたくさん登場するのですが、そのうちの大半がワンポイントで、源内に絡むわけでも、そちらで話を作るわけでもありません。役や物語を観たい私には、水増しエピソードになっただけです。さらに一部は(今の感覚では)グロい風俗に関係する人たちで、おそらく実際にあった内容を調べて登場させているのだと思いますが、猥雑を通り過ぎて、さらし物感覚です。
舞台の背面には鏡があって、セットの裏側や客席が写る美術になっているので、不遇な評判だったころの源内の扱いも含めて「観客のお前らが一番残虐なんだからすました顔をしているんじゃないよ」という演出だと思います。が、自分が嫌になることなんてしょっちゅうな私からすると「まったくその通りだけど、それがどうした」ってなもんです。
前半に比べて後半のほうがまとまっていて、カーテンコールの拍手はそれなりに熱のこもったものでしたから、他のお客さんには満足している人もいたのかもしれませんが、私には豪快な空振りでした。
« 無駄と思われる折込チラシの話 | トップページ | 許可をもらったのかわからないデザインのチラシ »
コメント