パルコ企画製作「幸せ最高ありがとうマジで!」PARCO劇場
<2008年10月31日(金)夜>
家族4人に住込1人の新聞集配所。仕事の合間に女がやってきて主人の愛人と名乗る。集金に出かけていて主人が留守の家族は、とりあえず女を追払うが、住込の女性が彼女を匿って話を聴く。実は愛人というのはまったくのでたらめだが、一家を困らせるために様々な仕掛けを試みたところ・・・。
迷惑女が主人公であることは譲らない?本谷有希子のパルコ劇場初登場は、ヒロインに永作博美を迎えて。こんな世相にぴったりあった佳作です。
かき回す側とかき回される側が時に入替わってどんどん酷いことになっていくテンポは非常に小気味よいです。が、広岡由里子が地味に見えて実は濃い役作りで攻めているのに比べて、永作博美が役の設定の割におとなしいのがもったいないです。というか、全員上手なのに一体感に欠けていた気がする。単にこっちが疲れていただけかな。
あと脚本は面白いんですけど、「主人公が迷惑女(永作博美)」「対抗する女(広岡由里子)」「かき回される女(吉本菜穂子)」「観察する女(前田亜季)」「ガキっぽい男(前田公園)」「ダメ男(梶原善)」という構成が、以前の作品でも観たような感じがして、デジャ・ヴでしょうか。もっと面白くなったはずなのに佳作止まりでもったいない、という印象です。
ひとつだけネタのメモを。お前の失った物の大きさだけでなく、俺の得たものの小ささも考えてくれ、という台詞は、笑ってしまいました。
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