2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

« KERA・MAP「あれから」世田谷パブリックシアター | トップページ | 2008年下半期決算 »

2008年12月28日 (日)

不況が芝居に及ぼす影響について

こんなテーマで書いてみたいので、まとまっていないけど早い者勝ちってことで書いてみます。念のために言えば、内容はまったくの想像です。

今回の不況は100年に1度と言われているけど、まあ凄いことになりそうです。不況を実感できていない人も、あと3ヶ月過ぎたらたぶん実感できます。すでにブロードウェイでは観客の減少が起きているとのことで、日本ではどうなるかを考えてみます。

まずは観客について。

そもそも芝居を観る人口は首都圏で10万人と言われていますが、それが大幅に増加した気配もありません。この人口をとりあえず3つに分けたいと思います。(1)ヘビーウォッチャー(2)追っかけ(3)歌舞伎(4)お付合い、です。

1についてですが、もともと趣味が観劇、小遣いを突込む額も半端ではないので、本人がリストラされない限り観劇を止めることもないでしょう。

2はジャニーズとか宝塚とか、あるいは特定の役者のファンのことです。これも今更止めるくらいなら最初から追っかけしません。なので影響なし。

3ですが、その構成は贔屓と、ファンと、修学旅行と、観光客と、とりあえず記念に1回くらい観てみる人たちです。後ろほど「不況になったから観るのをやめる」人たちですが、それでどのくらい国内の客席に空席ができるかは不明です。ただ、パリのオペラ座で上演して、航空会社とタイアップして観客を運ぶなんていう企画はなくなると思います。

4ですが、学生劇団ならまだ大丈夫かもしれませんが、社会人の友人知人の動員がいままでどれだけあったかは知りませんが、この減少が大きくて、これからはあまり望めないと思います。また関係者同士の観劇も、もともと少なかったものが、後に述べる理由で減ると思います。

全体としては、大人率の高い銀座方面の商業芝居の一部、動員を縁故に頼っている劇団に影響があると思います。

次に役者を中心とする上演団体側について。

学生数は減っても芝居をやる人口は一定の割合でいるだろうし、すでに固定客をつかんでいる新感線のような品質保証できる劇団もそれなりに大丈夫でしょう。

ここで問題になるのは数年以上上演を続けて目が出ない、関係者がバイトで食いつないでいるような劇団です。バイト先がなくなってそれを機会に劇団を辞めて実家に退避する、あるいは人が減ったため仕事量が増えて時間に余裕がなくなって劇団を辞める、という動きが増えると思います。劇団にM&Aはないので、活動を停止する劇団が2009年後半から2010年前半に結構増えるとにらんでいます。

これを機会に埋もれていた役者、脚本家、演出家が上手く集まったり、もっと日の当たる場所に移れたりできればと願っています。逆に、この機会に引抜きなんかで体制強化できる余裕があれば、団体側にはチャンスです。

ちなみに目が出ている、出ていないの判断は、都内限定ですが、fringeの東京小劇場観劇速報の、ヘビーウォッチャーたちのアンテナに引っかかっているかどうかを目安にすればいいと思います。

それと上演団体に試練がもうひとつ。企業、自治体を問わず、助成金が減るはずです。これが上演団体の経営難を表面化させて、やはり活動停止につながります。これもfringeの助成金情報の増減をチェックしましょう。ちなみに現在は177件です。

全体としては、個人と団体両面の経済事情が悪化して、上演団体の淘汰が進みます。あ、忘れていましたけど、来日公演も減るはずです。

その次に劇場について。

劇団が減っても、今までが多すぎたので、稼働率に直接影響がでるとは思いません。本多劇場を筆頭に、貸し館の経営がいきなり悪化することはないでしょう。

ただ、企業の援助を受けていた一部の劇場の経営がどうなるかが気になります。具体的にはBunkamuraとか世田谷パブリックシアター(あれスポンサーページがない、スポンサーはいたはずだけど)とか新国立劇場(一番下に掲載)です。プロデュース中心なので稼働率は大丈夫でしょうが、贅沢な制作環境が継続できるかは不明です。というか公立劇場全体は大丈夫か。

気になる小劇場の雄としては、個人の支援会員を集めているこまばアゴラ劇場は大丈夫だと思うのですが、佐藤電機が支えている王子小劇場には踏ん張ってほしいところです。もしまずい気配があれば、こまばアゴラ劇場を参考にして、ヘビーウォッチャーを中心とした支援会員のシステムを即座に検討してほしいところです。導入に手間取っている間に環境が悪化したら目も当てられません。

全体としては、自主性の強い劇場(=自分でスポンサーを確保していた劇場)ほど影響も大きくなる可能性があるので要観察、でしょうか。ちなみに貸し館でも、上演団体の助成金利用比率が高い場合は、前述の理由により要観察です。


まとめますと、一般観客の減少はそんなにないと思いますが、売れない上演団体と、助成金依存度の高い上演団体と、自主性の強い劇場は気をつけましょう、となります。

でも本当だったら、

  • 歌舞伎以外でも一部の劇場は海外の観光客率が高いけど不況になったから直接その影響を受けた
  • 海外のツアーを計画していたがキャンセルになった

っていうほうが格好いいと思います。よくも悪くも、日本の芝居は日本で完結しちゃってますね。

« KERA・MAP「あれから」世田谷パブリックシアター | トップページ | 2008年下半期決算 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« KERA・MAP「あれから」世田谷パブリックシアター | トップページ | 2008年下半期決算 »