メジャーリーグ制作「ちっちゃなエイヨルフ」あうるすぽっと
<2009年2月14日(土)夜>
ノルウェーの某富豪の家。娘は婿を迎えて10年目で一男あり。が、事故で松葉杖がかかせない。婿である男には教師を勤める妹がおり、なにかと訪ねてくる。男が医者に勧められた6週間の療養から帰ってきた翌日、奇妙な老婆が家にやってくる。「厄介なお困りものはありませんか。いたら取除いてさしあげます」
イプセンの脚本をタニノクロウが演出する企画の第2弾(第1弾は「野鴨」。言葉が言葉を呼び、不幸が不幸を呼ぶ、緊迫感あふれる舞台。心の底の暗いところからくるような台詞にどきどきしたと思いきや、何気ない台詞がぐっときたりする。
笑いなんてなくても構わない、演劇の王道といっても過言ではない脚本の力を見せ付けられる絶賛の仕上がり。
マメ山田と子役は前半しか出ないので、後半は4人芝居。しかも、1対1の長時間の会話がいろいろな組合せで出てくる。役者には集中力も要求されるけど、この面子はそれも(少なくとも見た目は)さらりとこなす。いや、さらりとこなすには重たい台詞の応酬もあったりするんですけど、安心感は高いです。ここまで役者のテンションを押上げた演出もすごい。出番なら勝村政信が一番長いですけど、役のおいしさでは馬渕英俚可のほうが上で、後で思い返すと非常に上手。とよた真帆の前半と後半の落差や、野間口徹の真摯さもよい。
あと、美術や衣装や音響や照明が、数は少ないけどシンプルかつ質を高くしてバリエーションを持たせる、という個人的にはツボにはまる方針でよかった。
唯一の不幸は、客席がスカスカだったこと。観終わった立場からすれば定価分の価値はあると思うのですが、こんなご時世だけに割高感を感じる価格設定だったからかもしれません。明日の昼で千秋楽ですけど、チケットはe+で半額が今はまだ少し残っているから、3時間前までは、まずはそちらを当たってみてください。
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