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2009年5月 9日 (土)

新型インフルエンザによる劇場公演のリスク

<2009年5月23日(土)追記>

「慌てるな」という内容の新しいエントリーも書きましたので、あわせて御覧ください。

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ようやく国内でも感染者が出てきました。今のところ新型インフルエンザについてはまだわからないことが多いようで、「早く治療すれば治る」「弱毒性なので致死率は低い」「日本はこれから梅雨なので感染は広まらない」などという意見も見かけられます(注:それも今のところは推測です)。が、「突然変異して猛威を振るう可能性も十分にある、特に今年の秋冬が危ない」などと言う意見もあるので、まだ油断は禁物です。

で、劇場公演にどんなリスクがあるか。役者やスタッフが感染する、観客が怖がって劇場に来ない、というリスクもありますが、個人的には劇場が閉鎖されるリスクが盲点ではないかと思います。

厚生労働省の新型インフルエンザ対策のページに「新型インフルエンザ発生初期における早期対応戦略ガイドライン」という資料があります。ここの98ページに
「○ 症例発生地域における行動制限
(中略)
症例が発生した市町村では、不要の集会や催事、行事を自粛する。映画館、劇場等に対し自粛の要請をする。ただし、発生動向次第では、全県対象とすることも検討する。」というものがあります。新国立劇場がさりげなくリリースを出していますが、国が自粛要請を出している最中に国立の劇場が上演するはずがないので、いざとなったら公演を中止することもある、と解釈しても間違いないでしょう。

他の劇場も、自粛要請が来ても公演を続けるのは度胸がいるわけで、つまり、公演を予定してチケットも発売していたのに事実上劇場の利用が禁止されることもありうるということです。

これがシアターコクーンとかPARCO劇場ならほとんど全部自己プロデュースなので、自分で損をかぶって断念すればいいです。ところが劇団が劇場を借りて上演する場合は、劇場は自粛を拒否するけど劇団が尻込みするケースと、劇団が上演したいのに劇場が利用停止にするケースの両方が考えられます(そもそもお客さんが来なかったら意味がないですけど)。

国の要請で即自粛が確定している新国立劇場はいいのですけど、他の民間劇場、および民間劇場で今後上演予定の劇団は、自粛要請が出た場合の対応と損失の負担割合について、今のうちから相談したほうがいいと思います。「新型インフルエンザはやむを得ない災害に含まれるのか」ってことですね。あとチケットの発売に際して、自粛要請が出た場合の対応も明記しておいたほうがいいと思います。インフルエンザはコントロールできなくても、契約は事前に確認できるので、これは制作者と劇場スタッフの手腕が問われるところです。

ってなことが、社会人としては気になるのです。

類例として海外公演を予定していて渡航禁止令が出ることもあると思うのですけど、海外公演をする団体の数は少ないですし、海外公演をするくらいの団体ならその辺の確認はきちんとしていると思うので、そちらはあまり気にしていません(来日公演も同じ)。

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