さいたまゴールド・シアター「アンドゥ家の一夜」彩の国さいたま劇術劇場小ホール
<2009年6月28日(日)昼>
かつて日本で教師を勤め、今はポルトガルに住む安藤夫妻。主人が病気で危篤なため、かつての教え子の一人にもう一度会いたく、秘書に呼寄せるように頼む。が、手違いでその同期たちに話が伝わり、はるばる日本から面会にやってくる。家族や友人も集まって、なんとなくいろいろなことが起きるような起きないような、そんな一夜の話。
平均年齢70歳で、それを率いる蜷川幸雄も70歳越え。評判は耳にしても観るのは初めてのさいたまゴールド・シアター。えらい時間をかけて埼玉まで観に行きましたが、長さを感じさせない素晴らしい舞台でした。行って良かった。
まず褒めるべきはKERAの脚本で、高齢役者ばかりなのを逆手に取った設定がぴったりとはまる。これを実に上手に演出する蜷川幸雄。年齢が醸しだす迫力というかリアリティは、なんというか、観ないと上手く伝わらないです。プロンプター(蜷川幸雄も入っている)でところどころサポートしているのなんか気にならない。
補足しておくと、役者は素人と思っていると間違えます。たまに棒読みっぽくなることもありますけど、腹から出す声に乗せる意思は、棒読みなんて関係ない、中途半端な役者の小賢しい技術を吹飛ばすくらいの勢いです。その点は、蜷川幸雄が相当鍛えたのではないかと推察されます。
なんか上手く褒める言葉が見つからないのですけど、これはもう、観たもの勝ちです。見逃した人がいたら思いっきり羨ましがらせたくなるような芝居です。
最後はまた受付について。
- 発券と支払は別々の人が担当すると効率が上がります。それだけの人手はいましたので改善してください。
- 電話で「立見席は出ますか」という質問に「立見席は出ません」と答えるのではなく「補助席が出ます」と教えてください。
- 再入場する客に「お帰りなさいませ」と声をかけるのはメイド喫茶みたいでなんか恥ずかしいので別の言い方を考えてください。
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