演劇集団キャラメルボックス「さよならノーチラス号」紀伊国屋サザンシアター
<2009年9月5日(土)夜>
家業の倒産により夜逃げとなった家族。夜逃先が債権者に知られないようにと親戚の家に残された小学生の三男は、夏休みになって初めて自動車整備工場の2階を借りていた家族に会いにいく。友だちもいない環境で夏休みの宿題を片付けていたある日、整備工場の社長と「客」が話す会話を耳にしてしまう。
初演を観ていたにもかかわらずまったく内容を覚えていなくて、その点では新鮮に観られました。よくも悪くも、キャラメルボックスの芝居でした。その割には三分の二くらいは素直に観られて、思ったよりも楽しめたかな。私にとっては初演が初キャラメルボックスだったんですよね。内容は忘れても、主題歌の音楽だけは覚えていました。音楽の力はすごい。ちょっと音が割れていた気がするけど。
伏線張りでひたすら進める話が急激に転がる終盤が見所のひとつなんですが、その転がった話があっけなく収束するのもがっかりな点。そこはもっとぐちゃぐちゃになるよねー、とか嫌味を言うくらいなら観てはいけない。甘くないキャラメルはキャラメルではない。
役者もあの演技のトーンが揃っているけど、それでも客演の2人がいるおかげでいくばくかの安らぎが。あと坂口理恵は好演で、初演の印象も好演だったことを思い出しました。主人公の多田直人も比較的素直な演技でよかったです。しかし中学生3人組は、見た目はよいのですが、あの演技は受付けなかった、今の私には無理。
まあ懐かしさから観に行って、懐かしさの分だけ楽しめたので個人的にはよし。大阪公演がひどいそうなので、関西方面で興味のある人は当日半額券でふらっと行ってみてもいいかもしれません。
あと、当日券の受付についていい意味での一言があるんですけど、それは別エントリーで。
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