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2009年10月17日 (土)

上演期間中にインフルエンザが発生した時の対応テンプレート

程度はわかりませんが出演者がインフルエンザということで、THE SHAMPOO HATでは公演を休止して代役を立てる、という判断をしたそうです。

休止当日にも公式サイトでの発表が間に合っていなかったようです(公式ブログにそう書いている)。でもこちらにはインフルエンザと書いてあるのに、公式サイトにはそう書いていません。どこから情報を仕入れたんでしょうか。

本当は予防策を十分にとったほうがいいのでしょうが、そうはいってもかかる時はかかるのがインフルエンザ、ということでしょうから、その場合の対策は想定しておく必要があります。で、全然専門家でもなんでもないのですが、インフルエンザが発覚した後の対策テンプレートを考えてみました。実情にあっているかどうかは知りませんので、つっこみはコメント欄に書いていただけると助かります。

(0)前提として、インフルエンザ感染者が出たら諦める

その時点でよくてトントン、普通は負け戦確定です(=お客さんが減り、公演が止まり、収入が減り、余計な出費がかさむ)。なので、それは諦める。お客さんが減るのは誰のせいでもない。責任のなすりつけあいは避けて、いかに被害を抑えるか、特に観客(予定)に迷惑をかけないか、に集中する。

(1)公演の中止か続行かを決める

中止の場合の手順は、制作者のほうがよほど詳しいだろうから(というか私は知らないから)割愛。知らなくても、劇場関係者とか知合いの制作者に訊けば教えてくれるでしょう。

続行の場合は、「感染者の出番がなくてもいいように芝居を変える」か「代役を立てる」かのどちらか。前者なら脚本家演出家出演者の予定と才能を、後者なら代役の予定を押さえた上で求められる能力と才能を考慮して、何日休止が必要かを判断する。代役が100%仕上がらなくても諦める。

(2)劇場の予定を確認する

1と前後して、振替に使えそうなスケジュールを確認する。この時点で、芝居の残りの日数がほとんどなかったり、振替に使えそうな日程がない場合は、公演中止に切替える。

(3)インフルエンザ検査をする

ひとりがかかっていたら、他の人もかかっているんじゃないかと疑う。症状はこちらで確認してもらうとして、それっぽい症状がある人はすぐに、あるいは朝一番で、医者に行かせる。

これで感染者が見つかったら、最初に戻る。

(4)休止した公演の対応を決める

「休止のまま払戻し」か「振替日の提案と払戻しの自由選択」かのどちらかにする。複数公演を休止して振替対応の場合、特定の振替日に希望が集中した場合の対応方法は、よくわからない。どちらにしても、全員が払戻しを希望した場合の金額を用意する。

チケット業者は対応が決まっているだろうから、それに従う。当日来場した観客には、チケットと引換えにその場で払戻すか、別の振替日を選んでもらうかの準備をする。難しいのが自分が販売したチケットの対応。最初に買った人が諸事情で転売している可能性がある場合にどうするか。「転売は無効」と事前に明記しているならいいけど、そうでない場合はどうしているんでしょう。

結局ここまでは「対応を決める」だけですね。

(5)告知内容の準備をする

6に載せるような情報の準備をする。ほしい情報は以下。
・公演休止になることと、その理由
・公演休止の場合、どのステージが休止になるか
・対応について、代役かどうかの情報と、払戻しか振替かの情報を書く
・払戻しか振替かの情報には、「該当ステージのみ」だけであるなら、その旨を書く
・観客の行動として、払戻しや振替を行なうための手続き方法
・問合せ先としては、直接話せる手段として電話を載せる(苦情の電話もかかるかもしれないが、それも諦める)

これらを告知文としてまとめる。あと、問合せや窓口の対応担当者と対応時間も決める。

(6)告知する

このときにどういうところに告知するのが適切なのか、有力なのかはわからないのですが。

公式サイト:少なくとも公式サイト、公式ブログには絶対、真っ先に掲載する。

インターネット:関係者が持っているブログなりツイッターなりがあればそこにも掲載する。このとき、公式サイトに詳細な情報を載せて、ブログなどには「詳細は公式サイトに」と書いて、誘導するようにする。いろいろな伝言ゲームが飛ばないように、公式サイトに情報を一元化する。

インターネット以外:緊急にそれだけ告知できる媒体があるかわからないのですが、その場合は、劇団または劇場の電話番号を問合せ先とする。

チケット業者:たぶんそういう対応に慣れていて、手順が用意されているはずなので、それに従う。ひょっとしたら公式サイトより前に連絡しないといけないかもしれないので、これは事前に確認しておく。

観客:メールアドレスを情報として持っている場合は、そこに公式サイトに載せたのと同じ情報を流す。

優先順位としては、公式サイト≧チケット業者>インターネット>インターネット以外(何かあれば)>観客の順とする。これは、
・より広範囲に告知できるところを優先する
・直接問合せが来るところを優先する
という理由による。ただし、ゆっくりしていいというわけではない。人手があれば並行して行なう。人手が足りない場合の目安としての優先順位。

(7)対応する

問合せや来場者に対して対応する。

(8)消毒する

劇場の手が届く範囲すべてを消毒する。

って感じでしょうか。将来はチケットの裏に「関係者または観客から感染症が広まった場合の損害は免責」とか書かれるかもしれません。

なんでこんなこと長々と書いていたかというと、冒頭にも書いたとおり、今回の体調不良がインフルエンザかそうでないか、情報が入混じっていてわからないからです。慎重な観客、今は万が一にも倒れるわけにはいかない事情をもつ観客なら、他の出演続行者経由で感染する可能性を考えて、来場を差控える判断もありますし、当日券の観客の数にも影響すると思います。それが嫌で公式サイトに情報を載せていない可能性があるのですが、それは「観客より自分たちの都合を優先する」という最悪の発想です。そんな奴らの公演なんて二度と行きたくねーよ、というのが観客側の自然な感情であり、そういう行動が中長期的に見て劇団の信用を損ねることにつながるのは、少し落着いて考えればわかることです。だからわざわざ0番目に「いかに被害を抑えるか、特に観客(予定)に迷惑をかけないか、に集中する」と書きました。

来場するかどうかの選択権はチケット代を払った上に、感染したら実際に困る、観客の側に持たせるべきです。だから、例えばシアターコクーンが降板の原因を「腸閉塞」と明記するのは、そういう心配の払拭にもつながっているわけです。THE SHAMPOO HATは、今からでも遅くないので、降板の原因がインフルエンザか、そうでないかを掲載するべきです。個人情報に関係するという反論も可能ですが、インフルエンザであることが他者に被害を及ぼしうる職業なので、こういう場合は、差支えない範囲で公開されてもしょうがない、というのが私の意見です。

どうも検索した感触だと、最初にインフルエンザと発表して、それを見た人たちが「インフルエンザ」と書いたけど、後でその情報元を体調不良に書換えたような気がする。どうなんだろう。こんな風に詮索されるのも「被害」の一環なので、今回の公演で損をしたとしても、正直に書いたほうが結局安くつく、と私は思います。

<2009年10月26日(月)追記>

やっぱりインフルエンザだったようです。

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