2009年下半期決算
遅くなりましたが、2009年下半期決算です。
(1)世田谷パブリックシアター企画製作「奇ッ怪」シアタートラム
(2)演劇集団キャラメルボックス「さよならノーチラス号」紀伊国屋サザンシアター
(3)大人計画「サッちゃんの明日」シアタートラム
(4)ハイバイ「て」東京芸術劇場小ホール1
(5)ナイロン100℃「世田谷カフカ」下北沢本多劇場
(6)(7)(8)新国立劇場主催「ヘンリー六世(第一部、第二部、第三部)」新国立劇場中劇場
(9)パルコ企画製作「海をゆく者(プレビュー公演)」PARCO劇場
(10)パラドックス定数「東京裁判」pit/北 区域
(11)(12)バンコク・シアター・ネットワーク「赤鬼」東京芸術劇場小ホール2、「農業少女」東京芸術劇場小ホール1
(13)TBS/エピキュラス主催「夜会 本家・今晩家」赤坂ACTシアター
(14)グリング「jam」東京芸術劇場小ホール1
(15)庭劇団ペニノ「太陽と下着の見える町」にしすがも創造舎
(16)松竹制作「十二月大歌舞伎 夜の部」歌舞伎座
上記16本(ヘンリー六世は3本でカウント)、隠し観劇はなし、チケットはすべて公式ルートで購入した結果、
- チケット総額は100950円
- 1本あたりの単価は6309円
となりました。上半期に観たのが14本15本なので、前回の年末決算では「30本を目標」と書いたとおり、きっちり30本31本になりました。その上半期を合せた計算は、
- チケット総額は190700円195200円
- 1本あたりの単価は6357円6297円
となりました。ただ、中島みゆきの夜会が底上げしており、それを除くと単価が500円以上安くなるので、ようやく単価6000円未満の目標が見えてきました。
下半期の特徴としては、セット企画が多かったことだと思います。ヘンリー六世もそうだし、見送りましたけど「コースト・オブ・ユートピア」三部作一挙上演がありました。歌舞伎座は昼の部が宮藤官九郎で野田秀樹と同時の小劇場出身者の起用だったし(昼の部は観られなかった)、東京芸術劇場が中心になっているによるFestival/Tokyoや芸劇eyesも、セット企画と言えます。あと、観るのは年明けの予定になりますが、青年団も「カガクするココロ」と「北限の猿」の同時上演を行なっています。そう考えると、下半期に観た芝居の半分以上がセット企画の公演になります。
これはつまり、よく言えば集客に力を入れるようになった兆候だと思います。もともと青年団(こまばアゴラ劇場)は劇場会員や全国の劇団紹介など企画による集客が得意でしたが、それに目を付けた関係者が、狭い演劇市場を広げようとしている試みの結果であれば、よろこばしいことです。これが継続されて「観劇経験の浅い一般人はここに参加する団体から観始めれば大丈夫」と認知されるまでになれば国内市場の開拓につながるので、ぜひ途中で投げ出さないで続けて欲しいです。個人的にはさらに進んで、インフラ整備や海外展開までつながらないかと妄想します。
芝居っぽい小劇場の紹介という点で、芸劇eyesには期待するところが大きいです。世田谷パブリックシアターも、芸劇eyesより手前の団体を集めた企画をやっていますし、あと、遠くていまだに行ったことがないですけど、三鷹の芸術文化センターも頑張っていますよね。機会を見つけてこの手の企画ものは整理したいです。
これを上演側から見ると、こういう企画に参加できない団体はダメということで、芝居の出来がよいことは前提で、いかに参加できるように目立てるかという戦略が重要になってきます。年間観劇100本越えの猛者たちの目に留まることを目指すだけでなく、応募式の企画があったら積極的に申込んでみるといいのではないでしょうか。以前だと上演すると目立つ劇場があったと思うのですが、今はよい劇場ほど貸し館をやめて上演団体を自主的に選んだり、プロデュース公演で頑張ったりしているので、劇場を使った注目を集めるのは難しいと思います。吉祥寺シアター、ザ・スズナリ、シアタートラム、赤坂RED/THEATERなどが貸し館をやっていて、なおかつ登竜門のような劇場でしょうか。だいたい200席規模ですね。若手団体がどのように劇場を選んでいるのかはわかりませんが、劇場の選択には将来がかかっており、すでにそこにセンスが現れるので、小劇場すごろくと言われようがなんと言われようが(もうすごろくは壊れましたけど)、よい劇場で上演できる機会があったら逃さないようにしましょう。
話は戻って、ちょっと最近は新しい劇団の発掘がおろそかになっていたのですが、その隙にいろいろ話題になった劇団が出てきたので、意識してそういう劇団を観るようにしたいと思います。で、2010年は芝居は同じく30本の観劇を目標にします。今年は音楽のライブにも初めて自分から行ってみたのですが、これもなかなか面白いもので、少しずつそちらの体験も増やしていきたい、将来は芝居と音楽で50本になれば、ととりあえずは考えています。
<2020年5月24日(日)追記>
上半期で1本漏れていたので、それを受けて本数と金額を訂正。