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2010年1月 7日 (木)

Bunkamura主催「東京月光魔曲」Bunkamuraシアターコクーン

<2010年1月4日(月)昼>

大震災の被害から復興し、稼ぐもの、上京するもの、たくましく生きるものたちが集まって繁栄をしている昭和4年の東京を舞台に、父を早くに亡くした姉弟と、その周辺で発生する連続殺人。愛と過去の因果が絡んだ事件に、行きがかりで取組むことになった私立探偵と友人の小説家。

年末に見損ねて新年早々挑戦。シリアスと色気と笑いが程よくミックスされてバランスのよい1本。新年よりは年末に観ておきたかった内容だけど、さすがによくできている。内容だけなら、よくできすぎ、上手すぎて、観ていて安心してしまうのが不満というくらい(何だそれ)。姉弟ものとしては、カメレオンズ・リップを彷彿とさせる。シアターコクーンはKERAには姉弟路線をやらせたいのかな。

それはさておき、長い。とにかく長い。たぶん三部作予定という理由だと思うけど、これ1本だけならディテール勝負のKERAでもいらないだろうという人物も登場させての3時間半に、姉弟にまつわる話、殺人事件、上京した兄弟、復興成金など、てんこ盛り。回転舞台を3つに割って、さらに舞台前面も活用して、それだけやっても舞台転換が追いつかず暗転が存在するというのは、ある意味限界への挑戦を目撃しているわけであって、ここまで来るといっそすがすがしい。

それでもやっぱり、このキャストをKERAが演出するという時点で素晴らしい。最近演出家に恵まれている松雪泰子の色っぽさと、前に2回ほど舞台で観たときとがらっと印象が変わったユースケ・サンタマリアの2人は、このメンバーのなかでもとても魅力的です。着物姿で登場する役者は、男も女も3割増で観ていて美しいです(松雪泰子の髪がシャンプーの広告のようにまったく乱れないのは素晴らしいセット技術ですね)。やや下手よりの席だったので、背後の満月があまり見えなかったのが残念なくらい。

最後まで話は何転もするので、観るなら3時間半きっちり確保して、二部三部も全制覇する覚悟を決めて、行きましょう。

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