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2010年2月28日 (日)

個別公演を宣伝する前に観客人口を増やすほうが先だと思う

なんか先にfringeで似たようなことを書かれてしまいましたが、先日の「『演劇公演の宣伝について考えるラウンドテーブル』の実況」に関する個人的な感想。

芝居に限らず、宣伝というのは買ってもらうことが重要。宣伝対象が洗剤とか冷蔵庫とか映画とかだったら、それらの宣伝を見てもらうだけで購入までの過程や利用イメージは湧くので、買うための方法までフォローする必要はない。映画を映画館に観に行ったことがない人がいたとしても、かなりの確立で身近に経験者がいるだろうし、ネット上の情報もある。興味を持てば、それをフォローする環境はいろいろある。なにより、テレビで映画は定期的に放送されているから、映画自体がよくわからないという人はまずいない。

だけど芝居は、上演箇所や時間の制限でただでさえ経験者を減らすハンデがある。テレビに出てくる芸能人が舞台の宣伝をしたとして、そこから行動に移れる人の数は少ないだろうし、それをフォローできる経験者はもっと少ない。まして小劇場であれば、なにがなんだかわからない人が圧倒的多数になる。そんな状況でちまちま宣伝して、それで本当に劇場にお客さんは来るのかというと、まずこない。いや間違っていたら申し訳ないけど、でも、芝居初心者がチラシを見て芝居を観に来たという例は、一公演あたり何パーセントくらいになるんだろう。商業演劇ならまだしも、小劇場では、チラシで観に来るのは芝居通だけなんじゃないか。

個人的には、チラシには様々な情報が詰まっているので芝居の選別にはとても重要だと思っている。だけどそれは芝居を観慣れているからであって、普通の人があのチラシを受取っただけで選別できるかというと、たぶんできないんじゃないかと思う。

だから公演の宣伝以前に、芝居というものの宣伝が、もう少し格好つけるとマーケットの開拓が、まずは必要となる。そのときの目安のひとつとして、たとえばこういうものがある。

・市場占拠率の目標数値モデル
1:上限目標値:74%:絶対的な独創状態。
2:安定目標値:42%:安定的な強者の位置。独走態勢に入る。
3:下限目標値:26%:弱者と強者の境目。トップになることもあるが不安定。
4:上位目標値:19%:弱者の中の相対的強者。伸びるが、不安定。
5:提供目標値:11%:存在がマーケット動向に影響を与え、注目される。
6:存在目標値:7%:存在が競合者として認められる。
7:拠点目標値:3%:存在自体が無視されるが何とか存在できる

首都圏の人口が3000万人以上と言われているが、観客人口は10万人程度と言われている。これではまったく足りなくて、せめて7%、200万人強の人たちが、芝居を何度か観たことがあって、観ようと思えば迷わずに行動に移せる、あるいは他の人に教えてあげられる状態までもっていくことが必要だと思う。今の状態で芝居のイメージを一般の人にインタビューして「灰皿を投げる演出家がテントで公演している」と答えられても、私は驚かない。

それだけの人数に観てもらうためには、劇場で宣伝しているだけではダメで、芝居界全体で戦略を立てて、それに沿った宣伝(と行動)をするしかないと思うが、そういう動きは寡聞にして聞いたことがない。

どんな戦略が必要かについてはまた気が向いたら考えますが、個々の公演の宣伝方法をいくら考えたとしても、それは今の観客人口割合という現実の前では、ゲリラ戦以上のものにはならないということを言いたかったわけです。

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