チェルフィッチュ「ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」ラフォーレミュージアム原宿
<2010年5月8日(金)夜>
契約を切られた派遣社員の送別会を、別の派遣社員たちが幹事となって企画する「ホットペッパー」。その会社の正社員が仕事やオフィス環境についてかみ合わない会話を「クーラー」。そして契約を切られた派遣社員が最後の勤務日に皆の前で「別れの挨拶」。
すごい久しぶりのチェルフィッチュはダンスとか言われていてびっくりした。ドイツの劇場と共同製作したらしいです。外国人が撮影をしていたのもその絡みかな? せりふの繰返しを多用したり、音楽にあわせたり(完全にはあわせていないあたりがまたチェルフィッチュっぽい)していたけど、やっていることはそんなに変わらない。
派遣社員の切迫感と正社員の能天気さを対比させてそれなりに真剣な話を、あの動きと会話による方法で感情的な面を取除くと、かえって深刻さが浮き出しになる。けど、繰返しがきつくて退屈する場面もあって、もともとチェルフィッチュに熱心でない自分には、もうちょっとストーリーがないと観ていてつらかった。
3本を組合せたオムニバスなんだけど、3人、2人、1人と演者の数は減っていて、最後の1本は(細かい演技をほかの人がしていたとはいえ)ほとんど独りで演じきったのはお見事。観ている分には脱力演技なんですけど、終わったらマイクを通じて荒い呼吸が聞こえるので、負荷は相当のものなんでしょう(しかもハイヒールだし)。すっきりした舞台にはっきりした照明も格好良かったです。ただマイクトラブルが残念。
文句としては、配役表を当日パンフに載せておいてほしかった。正社員の男性と、辞める派遣社員の女性がよかったんですけど、誰だかわからん。知っている人教えてください。それと狙っているのか、会場のクーラーが上演中もきいていて、それに直撃する席に座ってしまって寒かった。70分の直撃は寒いです勘弁してください。
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