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2010年6月21日 (月)

新国立劇場主催「夢の痂」新国立劇場小劇場

<2010年6月20日(日)昼>

終戦後、参謀本部勤務で敗戦の責任を取ろうとしたが一命を取りとめた男。それから2年、親類の仕事を手伝って東北の旧家に滞在中、天皇行幸の宿泊場所としてその旧家が選ばれる。参謀本部で天皇を何度か観かけていた男は、失礼のないように予行演習を指導してほしいと旧家の一族に依頼され、了承するが・・・。

東京裁判三部作といいつつ、東京裁判は全然出てこない最終作。戦争の責任を問うという意味では、まあ間違っていない。けど、3本とも観た感想(夢の裂け目夢の泪)では、これが一番よくできていて面白い。

演出と脚本とどちらの影響が大きいのかはわからないけど、説教くさいのは前2本と同じながらも、前2本と比べて辛気臭さが薄いのは、直接東京裁判が出てこないせいか。あと、文法を手がかりに進める話の展開は、国語上手といわれた井上ひさしらしい。クライマックスで言い分を踏込んだあたりも、内容の是非はともかく、ようやく脚本がリスクをとってくれたと思えて、前2本の欲求不満が解消できた。

ただ、千秋楽で大盛上がりのところを申し訳ないけど、スタンディングオベーションすることはないだろうとは思った。その1。舞台装置が寂しすぎる。能舞台を模して、そこに劇中劇とか幽玄境を云々とか、いろいろ意味を込めたとは思うけど、離れの別宅とはいえ、宿泊場所に選ばれるような旧家で、娘が骨董を持出すような物持ちで、あれは簡素すぎる。その2。3本ともオチが同じなので、前半始まってまもなくオチが予想できたのは、シリーズ物であることを差引いてもつらい。その3。これが一番大きいけど、役者の実年齢と主役の年齢が離れすぎている。この芝居で32歳を68歳が演じたり、推定45歳前後を62歳が演じたりするのは、さすがに無理がある。最初は 台詞と役者の設定が一致しなくて(最後までその違和感は残って)大変だった。実力とか、初演に縁のある役者とか考えたんだろうけど、いくら人材の乏しい日本演劇界でも探せば適役はいるはずで、これはキャスティング ミスだと声を大にしていいたい。念のために言っておけば、役者は全員すばらしい演技だった。けど、演技ではカバーできないケースもある。

3本観終わって、もういいやとすっきりしましたが、チラシには井上ひさしの公演が多数。本当、多いですね。とりあえず「黙阿弥オペラ」と「父と暮らせば」は、都合がつけば観たいと思います。

そういえば、当日券で観たんですけど、並んでいる人数が少なく、しかも千秋楽だからとはいえ、お堅い新国立劇場にしては珍しく真摯に当日券の確保を調整していました。不慣れな点が誠実に見えただけとも言えますが、まあちょっとだけ好感度が上がりました。新国立劇場の職員も、少なくともそれなりに一生懸命な人もいるんだというのはわかりましたが、それでいてこの劇場の活動が演劇界の邪魔をしているようなへたくそな印象を受けるのは何が原因なんでしょう。私の妄想なんでしょうか。

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