ナイロン100℃「2番目、或いは3番目」下北沢本多劇場(若干ネタばれあり)
<2010年7月17日(土)夜>
なんらかの出来事で国全体が大被害を受けてからしばらく経過したある町に、他所の町からやってきた5人。被害者救済を謳っているが、町の被害が大きい割りに、住人の悩みは少なくて世話になるあり様。しかし微妙におかしい雰囲気は隠されていて・・・。
最近のKERAというより、ちょっと前のナイロン100℃に近い感じ。でも政府の人間がかなり適当な扱いになっていたり、登場人物のひとりの最後がほったらかしにされたり、なんかいまいち。
全登場人物がフラットすぎて、背景を感じさせる場面が少ないのが残念。全体に笑いが少ないならそれでもいいけど、今回は大倉孝二に笑いを頼りすぎでちょっと強引。客演の若者役2人も、あのくらいの出番だったら若い劇団員を抜擢してほしかった。演技力を見て出番を調整した結果あのくらいの出番になってしまったんでしょうか。そんな中で、犬山イヌコと松永玲子の昔の男を巡るやりとりは数少ないスリリングな場面で、ベテラン劇団員主体なのにそういう場面が少なかったことを後から思い返して愕然としたり。
ラストがハッピーエンドっぽいのは、まあ最近幸せでキャスティングもされているしそういう芝居が書きたくなったんだろうかとも思いますが、野田秀樹みたいにちょっときもちのいい長台詞だったのはびっくり。昔は劇中でそれを笑いの対象にしていたのに。でも余韻はいまいちで、KERAでもこれから勉強が必要な分野ってものが芝居の中に残されているのかと思うといろいろ考えさせられる。
すごい悪く書きましたけど、そこらの芝居よりはずっといいですよ。ただ、個人的には「世田谷カフカ」のほうがエネルギーにあふれていたなと思います。
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