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2010年7月20日 (火)

こまつ座「黙阿弥オペラ」紀伊国屋サザンシアター

<2010年7月19日(月)昼>

江戸末期。深夜に身投げを助け合った2人が蕎麦屋でお互いの境遇を語り合う。その一人が後の黙阿弥こと河竹新七。この日を境にどうにも暮らしに困った男たちが蕎麦屋に集まってしまう。その日にちょうど起きたある問題を解決しようと、蕎麦屋の女主人の発案で株仲間になってしまった男たちが繰広げる、開国前後のあれやこれや。

井上ひさしが亡くなっていなければ男3人の新作芝居だったようですが、まあ新作はこれからずっと遅筆堂なのでこの再演。キャストも豪華で期待していたら、期待以上の出来でした。3時間半を感じさせない熱演に、惜しみない拍手。

江戸から明治にかけての生活の変わりっぷりと、それを生き抜く庶民のたくましさを、江戸の風習を守る黙阿弥、ひょんなことから外国に通じることになったおせん、その間で右往左往する男たちの配置が見事。そして膨大な台詞、台詞、台詞。みんな台詞回しが上手なもんで、聴いていて楽しいです。

この芝居、普通にやったら多分つまらなくて、成立させるためにはかなりのエネルギーが必要と思われますが、吉田鋼太郎と藤原竜也をはじめとして、ものすごい勢いが舞台から伝わってきます。藤原竜也がいつの間にか上手くなっていたり、エロがなくても内田慈が魅力的だったり(髷は似合っていませんでしたけど)、北村有起哉や熊谷真実が格好よかったり、役者に発見がいくつもありました。ここまで役者の力を引出した栗山民也も褒めておきます。特に前半の最後はやられそうになった。

政府に文句をつける場面も出てくるんですけど、それは全体には少なくて、やっぱり井上ひさしは21世紀より20世紀の脚本のほうが面白いんじゃなかろうか。こんな座組で観られることは多分もうないと思うので、チケットが高いのは難点ですが、ぜひ観ておいてください。どの席でもまず見切れませんのでそれはご安心を。

勧めたからには当日券情報。1時間前に集まって締切、そこで並んだ順に番号札を引いて、その順番で再整列して販売。今回は27人並んで、直接販売5枚、キャンセル販売がたしか4枚。こまつ座はいつも当日券販売が少なくて、以前の別の公演ではこれより少なかったこともあり。しかもキャンセルが少ないです。当日券狙いの人は公演期間の早いうちに行って、失敗したらもう1回挑戦するくらいの予定でみたほうがいいと思います。

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