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2010年8月 7日 (土)

劇団M.O.P.「さらば八月のうた」紀伊国屋ホール

<2010年8月5日(木)夜>

深夜ラジオの長寿番組。リスナーから届いたメールには、介護中の老人が歌っていた歌について教えてほしいとのリクエストと歌詞の一部が載っているが、番組のパーソナリティを勤める女性以外には誰も聴いたことがない。その歌は、今は横浜の港につながれている船に深い由来を持っていた。

ラジオ番組の放送期間を劇団の存続期間に合わせて、しかも歌の内容が意味深な企画。役者オールスターの熱演とあわせて、新作にして劇団の解散公演にふさわしい仕上がりになっています。危うく泣くところでした。

船の名前は寒川丸とか言っているように聞こえましたけど、氷川丸の設定を借りて、ある種の歴史ドラマのようになっています。あちこちの年代を行き来するなか、人物関係を上手に絡めて、蒔いた設定はきれいに刈り取って、最後に終わると「おお」と驚いてしまいます。マキノノゾミはこんなに芸達者な脚本演出ができるのかと今更知りました。

この大作(2時間45分)に息を吹き込んだのは、間違いなく中心人物を2役演じたキムラ緑子で、彼女が喋って怒って歌って泣くのを観ているだけで幸せになってきます。いいところを抑える美声の小市慢太郎もよかった。それ以外も全員よかった。

ハーフプライスチケットが手に入るならもう一度観たい出来で、あえて口コミプッシュは出しませんけど、解散公演であることも含めて、ぜひひとりでも多くの人に、ストレートプレイのよさを味わっていただければと。このクオリティでこの値段でこの規模の劇場で上演する団体はどんどん減っていくのが悲しい。

開演前に、日替わりゲストとのラジオ対談もしているので、早めに到着して席につくといいかもしれません。ちなみにこの日のゲストは片岡正二郎でした。

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