サンライズプロモーション東京製作「イリアス」ル・テアトル銀座
<2010年9月5日(日)昼>
古代ギリシャがトロイアの国と10年戦争を戦っていた末期。ギリシャ軍随一の勇将アキレウスは、総大将アガメムノンとの確執が原因で戦線を放棄する。その間にトロイアに総攻撃を仕掛けたギリシャ軍だが、トロイアの王子ヘクトルの活躍の前に、逆に攻め込まれ、追込まれる。
ギリシャ悲劇(正確には詩に分類されるらしい)は粗筋を書くとそれだけで全紹介になってしまうのが悩ましい。有名な話なので知りたい人はWikipediaをどうぞ。自分は一度くらい観ておきたいという好奇心と、抜群の役者陣に惹かれて観劇。面白くてためになったし生演奏もよかったけど、時間と値段には見合わなかったな。
内野聖陽のアキレウスがすげー見栄えがよくて格好よかった。一度通路を通るときに間近で観たけど、迫力あります。池内博之のヘクトルと合わせて、絵になってます。でも、木場勝己とか平幹二朗にももっと暴れてほしかったし、馬渕英俚可と新妻聖子ももっと観たかった。終わってみればたったこれだけの人数であれだけ壮大な芝居を仕上げたのかと思うけど、そのなかでもさらに出番に差がつくからギリシャ悲劇で豪華すぎるキャスティングはもったいないのかも。
あと、劇場が悪い。これがシアターコクーンだったら、たぶんもっと好意的な感想になったと思う。ル・テアトル銀座は客席最後列までが遠すぎるし、歴史物の芝居に向いていない。経済事情とかいろいろあると思うけど、芝居に対する劇場の向き不向きには関係者はもっと敏感になってほしい。
シアターコクーンにするか、ル・テアトル銀座のままで8000円くらいだとよかったんだけどな。でも有名なギリシャ悲劇を観られて気分は豊かになったのでよしとする。