2010年下半期決算
旧年中にまとめたくてまとめられなかった2010年下半期決算です。
(1)モダンスイマーズ「真夏の迷光とサイコ」青山円形劇場
(2)ナイロン100℃「2番目、或いは3番目」下北沢本多劇場
(3)こまつ座「黙阿弥オペラ」紀伊国屋サザンシアター
(4)NODA・MAP「ザ・キャラクター」東京芸術劇場中ホール
(5)劇団M.O.P.「さらば八月のうた」紀伊国屋ホール
(6)ブス会「女の罪」リトルモア地下
(7)パルコ企画製作「ハーパー・リーガン」PARCO劇場
(8)サンライズプロモーション東京製作「イリアス」ル・テアトル銀座
(9)テアトル・エコー「日本人のへそ」恵比寿エコー劇場
(10)ナイロン100℃ Side Session「亀の気配」サンモールスタジオ
(11)TBS・サンライズプロモーション東京主催・制作「志の輔らくご in ACT」赤坂ACTシアター
(12)青年団「砂と兵隊」こまばアゴラ劇場
(13)SPAC「わが町」静岡芸術劇場
(14)東京芸術劇場「ブルードラゴン」東京芸術劇場中ホール
(15)こまつ座「水の手紙/少年口伝隊一九四五」紀伊国屋サザンシアター
(16)大人計画「母を逃がす」下北沢本多劇場
(17)演劇集団キャラメルボックス「サンタクロースが歌ってくれた」サンシャイン劇場
以上17本、隠し観劇はなし、チケットはすべて公式ルートで購入した結果、
- チケット総額は101850円
- 1本あたりの単価は5991円
となりました。上半期の13本とあわせて
- チケット総額は165200円
- 1本あたりの単価は5507円
です。上半期は青年団と新国立劇場の芝居が多くて5000円を切っていた単価ですが、下半期は商業演劇(イリアス)、こまつ座、東京芸術劇場中ホールと高額な芝居が多く通年の単価5000円切りはなりませんでした。それでも6000円を超えていた近年の傾向を考えると望ましい結果です。
どの芝居も観てからそれなりに時間が経っていますが、今になって選ぶと「カガクするココロ」、「黙阿弥オペラ」、「さらば八月のうた」、あとなぜか半年に1回観たことになる「志の輔らくご」が観てよかったと思います。期せずして上半期、下半期とも2009年と同じ本数になったのですが、チケット総額が1割以上圧縮された割に、満足度はそれほど変わらないのが発見と言えば発見です。
話は変わって、上半期でも書いたのですが、今年は芝居を観に行く時間が上手く取れませんでした。経済的にヤバい、という時期は脱したのですが、代わりに時間がなくなった。特に12月は例年注目作が多くて本数の増える時期なのですが、今年は1本だけという有様です。ラインナップを見返しても初見の団体がほとんどないのは余裕がない証拠です。仕事が忙しくて休日を食ったというのもあるのですが、それより体力がきつい。うまくやれば1日2本観られるところ、土曜日は疲れて午前中は動けず、昼から動くため夜の芝居しか観られないという効率の悪さです。
そして12月に見逃しと売切御免を連発した結果、芝居見物の欲求が少なくなっていることに気がつきました。なぜかと年末年始に考えたのですが、
- 芝居を見慣れた結果、期待のハードルが上がって、その分得られる感動が減っている
- 生活の危機感が趣味への興味を上回った
という結論になりました。前者はお前程度の見物本数で何がわかると言われればそうなのですが、それでもこのくらいの本数と金額の芝居を毎年自分で選択、チケット手配、自腹支払までして観ていると、それなりに目は肥えるという話です。後者について補足すると、自分の年齢と今のビジネススキルについて芝居を観る本数を減らして、その分を修行に当てないと今後社会人として危なくなるという危機感が出てきました。いろいろ足りないものを身に付けないといけないので、今後芝居を観なくなるというわけではないのですが、そこに振分けるリソース、とりわけ時間は減らそうと考えています。
なので、2010年の30本/28日を2011年は減らす方向で調整して、月1日に2本観る計算で、24本/12日くらいまで圧縮することを目指します。1月がまた忙しい上に観たい芝居が多いんですけど、観すぎた場合は2月で調整します。こんな零細ブログでもほんの少々の常連さんはいらっしゃるようですが、そのくらいの更新頻度でもひとつ生暖かく見守っていただければ幸いです。
本当はそれでも観に行きたくなるくらい面白い芝居であふれているといいんですけど、世界で一、二をあらそう大都市の東京といえども、それは難しいのですね。半年や1年のロングランが成立たないところが、新作を促してある種の活気を産んでいたと思うのですが、面白い芝居がロングランにできないことは創るほうにも観るほうにもデメリットなんじゃないかと思うようになってきました。