新国立劇場主催「わが町」新国立劇場中劇場
<2011年1月29日(土)昼>
アメリカはニューハンプシャー州の片隅にある人口二千人余りの町、グローヴァーズコーナーズ。20世紀初頭に、この町で道を挟んで向かい合う2つの家族を通して描かれる、ありふれて平凡で、とても美しい人生についての物語。
1本しか観られる時間がないってことで他の芝居とどっちをとるか大いに悩んで、3ヶ月前に観たばかりだったのですが、全力のキャストで一度観てみたかったのでこれを選びました。期待通りの出来で満足でした。
とりあえず小堺一機。役者で誰かひとり挙げろと言われたら小堺一機。キャスティング勝ちとしかいいようがない。あて書きなんじゃないかってくらいはまっていた。ちょっと固い場面もあったけど、最後の「おやすみなさい」の台詞には泣きそうになった。
他もよかったですね。全体に、女性陣が目立っていたのは演出家が女性だったからでしょうか。筆頭は鷲尾真知子。男性陣は優しめの設定でしたけど、その中では山本亨の存在感が目を引いた。
中劇場の舞台を広くとって客席との距離を近くするのは最近の流行りですけど、やっぱり観やすくていいです。そしてあまり色を使わずに、それでいてその広さを存分に生かす照明が美しかった。音響は、ピアノ生演奏に役者の生効果音を足して、上手に物語を進めていた。
で、いろいろ褒めましたし、脚本が面白いのが大前提なんですけど、やっぱり演出家の実力なんだろうな。面白い脚本にさらに面白さを足せる演出家はいろいろ思い浮かびますが、面白い脚本の素材を十二分に引張りだして仕上げる演出家という点では、やはり宮田慶子は一級の演出家だなと思わせられました。
千秋楽に間に合ってよかった。
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