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2011年4月26日 (火)

芝居がつまらない

何かこの後どんな芝居を観ても

  • 面白くて現実に負けていなかった
  • 面白いけど現実の前ではいまいち
  • 現実逃避の自己満足を見せられた

の3つの感想に集約しそうで怖い。それなりに楽しんだ柿喰う客なんか、今観たらただの馬鹿騒ぎとして片付ける。そういう気分を説明した上手い文章があったのでご紹介。日経ビジネスオンラインの人気コラムだからすでに読んだ人もいるんじゃないか。全文読んでほしいので一部だけ引用すると

 でも、やっぱり、ダメなものはダメだ。私はついていけなかった。
 思うに、これは一時的な気分の問題ではない。
 ああいう規模の災害に遭遇すると、ものの見方の根本のところが変わってしまう。
 少なくとも「娯楽」についてはそうだ。震災の前と後とでは、こちらの心構えに微妙な違いが生まれている。

 「パラダイムシフト」という言葉を使うのは、大げさかもしれない。でも、震災の前までは他愛なく笑って受け止めていられた様々なものが、受容できなくなっている。ということは、やはりこれは、気分の変動というよりは、人生観の変容に近い何かが起こっているということなのだ。

 たとえば、お笑い芸人のうちの幾人かは、私にとって、向こう2年ぐらいは顔を見たくない存在になってしまっている。震災前から、特に歓迎して見ていたわけではないが、それでも、これほどまでにうとましく感じてはいなかった。そう思うと、この違いは大きい。これから先、色々な分野でキャスティングが少しずつ変わってくるかもしれない。

となる。次のページではもっと直接書いている。

 私は、気が向かないのに旅行に出かけ、見たくもない演劇のチケットを買って、その2枚綴りの指定席をエサに、口説きたくもない女性宛にメールを送らないといけないのだろうか? そうしないと現代人として失格なのか?
 冗談じゃない。
 朴念仁と言われようと、貧乏性と指弾されようと、私は自分の蟄居傾向を改めるつもりはない。劇団四季のチケットなんか買わない。オペラにも行かない。あたりまえだ。

このまま行けば、オリンピックでもワールドカップでもそうなる。少なくとも自分は、もう箱根駅伝を風物として眺めることはあっても、楽しんで観ることはない。

あえて乱暴な言い方をすれば、これをきっかけに雑魚劇団が淘汰されるのは歓迎するけど、普段から「芸術の力」と繰返し唱えていた人たちがこれからこの現実を超えられる芸術を提示できるのか、それともゲイジュツゲイジュツ詐欺だったのかが気になる。

ただの観客が偉そうにいうのもなんだけど、これから観る芝居(少なくとも今年はあと何本か芝居を観る)は芝居を観るという形を借りて、芸術の一分野である芝居の力がどこまで本物かを確かめに行くことになる。脚本に書かれたひと言、そこに立つ後姿、全体を貫く確かなビジョン、それらを支えるスタッフワーク、そういうひとつひとつが、芝居の力を確かめるための「値踏み」対象になる。

そういう世の中の状況を踏まえてなおかつ、その人たちが現実と、あるいは現実より大きい何かと、全力で向き合って作った芝居に出会えるとは、正直に書けば、信じていない。芝居の力のポテンシャルがそれだけ高かったとしても、それを引出せるだけの関係者がそんなに大勢いるとは思っていない。

ただ、心の片隅では、オリンピックやワールドカップよりも大きいなにかに到達する芝居もあるんじゃないかとも思っている。だからしばらくは、期待しないで観に行く。

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2011年4月24日 (日)

パルコ企画製作「欲望という名の電車」PARCO劇場

<2011年4月24日(日)昼>

神経がまいった姉が、結婚してニューオリンズに住む妹を頼ってやってくる。気位の高い姉は、妹の夫とことあるごとに衝突する。自宅に遊びに来た夫の友人と親しい知合いになるが、妹の夫とは打解けない日々が続く。

有名どころで一度は観たかった演目を、松尾スズキ演出というので駆けつけました。満足しましたけど、まるで松尾スズキが脚本も書いたかのような、こんな救いのない話だとは知らなかった。ところどころで遊びはありますけど、たぶん脚本には忠実。そしてヒロインの嫌な部分、弱い部分に集中した演出など、「キャバレー」に似ているものを感じた。

池内博之もよかったのですが、圧倒的に秋山奈津子がよかった。秋山奈津子でなかったら途中でペットボトルを投込んでいたんじゃないかというくらい駄目な女(投込まないけどさ)。よくあんな演技を貫徹させられるなと変な視点で感心した。それに比べると鈴木砂羽は、悪くないけどよくもない。あの姉に対して、妹がふわふわしすぎ。でもそれもどうでもいいくらい秋山奈津子につきる。

あと映像が松尾スズキらしくない、ナイロン100℃っぽいと思ったら、ナイロン100℃の映像と同じ人が手がけていました。気持ち悪いのがマッチしている。

ただ、つらい話なので、できれば地震の前に観たかった芝居ではある。3時間10分と体力も要求される。

ちょっと疲れているのでこのくらいで。

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2011年4月15日 (金)

地震当日のパルコの動画

YouTubeで見つけたので載せておきます。8階なのでこのすぐ上で「国民の映画」を上演していたわけで、ここから上演続行を決断したのは、ビジネス上の都合がいろいろあったとしても、すごいと思います。

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2011年4月11日 (月)

パルコの経営陣が大幅に変わるかもしれない

こんな記事を見かけました。

 東日本大震災一色の報道でほとんど話題にならないが、1980年代の都市型消費をリードしてきたパルコが落城寸前である。株を買い占めたイオンが、パル コの筆頭株主である森トラストと組んで現経営陣の総退陣を求めている。本邦では珍しい敵対的買収劇が成立する公算が高い。

だとするとただいま私がBunkamuraと並んで良芝居率が高いと勝手に勝利判定しているパルコプロデュースにも何か影響があるんでしょうか。心の片隅でウォッチ。

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2011年4月 4日 (月)

パルコプロデュース「国民の映画」PARCO劇場

<2011年4月2日(土)夜>

1942年のドイツ。映画への肩入れ著しい宣伝相ゲッペルスは、ひとつの企画を胸に、有名な映画関係者を招いたパーティーを催す。次々と現れる招待客だったが、招かれざる客が含まれる。微妙な緊張感の中で進むパーティーの行方は。

3月はいろいろ難しかったので千秋楽直前に行ってきました。ほとんど実在の人物で構成した舞台だったのでリアリティの担保はしやすかったかもしれないけど、それを差引いても今の現実に負けない芝居。地震があっても公演続行しただけのことはある。商売を抜きにしても、これを公演中止にするには惜しすぎる仕上がり。

主要人物を演じる小日向文世、段田安則、白井晃の3人の対比がすごい。特に白井晃にあんなはじけた演技を付けた演出は目の付け所が違う。他の役者が抑えるところは抑えて演技していたこともあるけど、風間杜夫すら霞む。

脚本なんて、ほぼすべての台詞が、登場人物の内面を想像させるか、またはそのための伏線になっている。それを芸術論や映画論を軸に、実に面白く、無理のない物語で展開させている。それが最後に、三谷幸喜らしからぬエンディングに集約される手際は圧倒的。そして美しいピアノに、最初どうなっているかわからなかった美術。

惜しむらくは、どうしても女性陣が脇に回るというか、本筋を引きたてる脇のストーリーの盛上げ役に回ってしまうこと。話や舞台設定を考えるとしょうがないのだけど、色気に欠けるのは三谷幸喜の数少ない弱点が今回も出たと言える。でもこの仕上がりなら許す。昔、松尾スズキが「有頂天ホテル」を観て、もう三谷幸喜は有頂天になっていい、と評したのを思い出した。

でもなあ、芸術論で走るのは「コンフィダント」でもあったことで、むしろいいことなんだけど、喜劇作家を任じる人がどうしてあのエンディングに着地したのがわからない。年をとって感動大作で名声をほしくなったとか、たまに黒い話を書いて吐きださないともたないとか、今後海外展開して稼げる脚本を狙ったとか、いろいろ理由は考えたけど、ひょっとして「演劇は時代を先取りする」の言い伝え通り、日本の不穏な時代の到来を予感してしまったんだろうか。そうでないことを願いたい。

見損ねた人は横浜公演を見逃すな、って書こうとしたけど、原発が段々それどころじゃなくなってきているので、無理するな、と書換えておく。

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2011年4月 1日 (金)

2011年4月公演のメモ

当てにしていたメルマガが休みなので、めぼしい劇場を検索して気になる公演を調べた。初日順。

・シス・カンパニー「トップ・ガールズ」Bunkamuraシアターコクーン(4/11-24):面子が気になれば
・パルコプロデュース「欲望という名の電車」PARCO劇場:(4/12-5/1):松尾スズキ演出
・ネルケプランニング「その足の名は家族」青山円形劇場(4/13-28):名作「て」の豪華キャスト再演
・ままごと「わが星」三鷹市芸術文化センター星のホール(4/15-5/1):いきなり大評判だったから観たい
・パルコプロデュース「国民の映画」神奈川芸術劇場ホール(4/20-5/1):今PARCO劇場でやってるけど、観そびれたらこちらでチャレンジ
・イキウメ「散歩する侵略者」神奈川芸術劇場大スタジオ(4/23-24):これが代表作? 5月にシアタートラムもあり
・青年団「平田オリザ・演劇展vol.1」こまばアゴラ劇場(4/28-5/17):いろんな芝居のてんこ盛りなのでスケジュール注意
・劇団☆新感線「港町純情オセロ」赤坂ACTシアター(4/30-5/15):シェイクスピアのオセロを青木豪で

今回調べた劇場を後でリストにして、困ったときに調べる劇場ランキングを作りたい。

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