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2011年5月 2日 (月)

ままごと「わが星」三鷹市芸術文化センター星のホール

<2011年4月30日(土)夜>

40億年以上経った地球の誕生と終わりを、その地球上のある一家のある少女の誕生と終わりに重ねて描く、壮大な音楽劇。

1年前の初演ですでに大評判で、今回も立見上等の当日券目当ての人たちが大行列。確かに新しい、評判になるのも頷ける内容。ただし完成度に不満ありでもったいないというのが感想。

芝居と音楽との融合した表現形式は斬新で、ミュージカルなんか捨ててもいいと思えるような内容。観たことのない人に説明しにくいんですけど、DVDが出ていたんで観られなくて気になる人は買ってください。たぶん初めて野田秀樹が出てきたときも観客はこんな感覚を受けたんじゃないかと推測する。これを思いついて形にしたという点で、柴幸男と関係者は絶賛に値する。岸田國士「戯曲」賞受賞ももっとも。

これを支えるスタッフワークでも、照明と振付の大胆さが素晴らしい。シンプルにまとめた美術も気に入った。そして音楽は、よくぞここまでまとめたというくらいぴったりはまっている。ついでに言えば、台詞とリズムについて、こんなに的確な実例を示してもらえたことには感謝もの。

なんですけど、それに匹敵する不満が2つある。ひとつは役者。演技も、身体能力も、この芝居に要求されているレベルに届いていない。脚本負けしている。中心に向かう演技を要求される演出だけど、だとしてもこの規模の劇場で空気を支配できないのはつらい。部分的にぴんとくる場面もあったけど、全体で見れば不満のほうが多い。

もうひとつは、音楽はよかったけど音響が拙い。立見で半端な場所だったとはいえ、台詞が聞こえない場面が多すぎる。戯曲本の初演では初日直前にあわててマイクをいれたと書かれていて、今回もマイクがはいっていたはずなんだけど、音量の大きい、マイクが必要な場面では完敗。じゃあ音量を下げればいいかというと、ライブとしてはあの音量が正解だから、マイクを頑張るべき。初演ならまだしも、同じ劇場で再演なのだから、もっとやりようがあったはず。ハウリングを避けるためのスピーカーポジションを照明と取合って照明優先になったんじゃないかと予想するのだけど、そういうのをまったく気にしない音響だった可能性もある。どちらにしてももう少し考えて欲しい。

不満はあるけど、内容だけなら、この時期、東北でこそやってほしい内容だった。いわき市での公演が中止になったのが惜しまれる。再々演もあると思うので、そのときはぜひ東北ツアーをやってほしい。

蛇足ですけど、柴幸男は5年後くらいにこの種の芝居に飽きてストレートプレイにいくような予感がするので、今のうちに書きためておいてほしい。

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