Project Nyx「伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪」ザ・スズナリ
<2011年8月11日(木)夜>
どこかの屋敷の部屋。女中に留守番を任せて、女主人はその友人とパーティーに出かける。後に残った女中は部屋の中で様々な空想を展開する。
寺山修司を観ておきたいという簡単な理由に、寺島しのぶ出演という理由が重なったので観ました。ごめんなさい無理です自分とは趣味が合いませんでした。
一応、メインのストーリーにどんでん返しが2回あって、さらに別のストーリーが実はそこで接点が明かされて、という展開は追えたのですが、この妄想全開の世界にはついていけない。自分はアングラも嫌いではないと考えていたのですが、本格的なアングラになるとついていけない。それに気がつけたという意味で、あと古典だから有名だからといってありがたがるものではないということも再確認させられたという意味で、一度本格的なアングラを観られたのはよかったです。
芝居についていえば、全体に見てくれ聴いてくれオーラが客席に飛んでくるのがつらかった。何も知らなければ、アングラを成立させるためにはこのくらいのオーラが必要なんだと思ったかもしれません。が、今回は寺島しのぶが出演していて、ちょうどいいバランスというものを示してくれました。もちろん上手いんですけど、それ以上にほっとする。観る側に観ることを強要しないので、落着いて観ていられました。もっといえば、開演前の注意事項の説明を聞いている時点ですでに後悔していました。なんでみんな、もっと普通にやらないんだろう。
芝居については趣味の問題もあるのですが、運営についても。寺島しのぶ効果もあってか補助席も含めて満員御礼だったのですが、座席案内の段取りの悪さで10分以上押したのは久しぶりの経験です。座席案内を内外に設けていたのですが、それでもちゃんと誘導できていない。補助席も発番しているのに発番が役に立っていない(おかげで実際のアルファベットよりいい場所で観られましたが)。スズナリで補助席まで客を入れるなら、その手の混乱を回避するためにいろいろな準備をしておくのは当然。fringeではわざわざナレッジを用意するくらいのことだから、その面倒さは事前に知っていると思っていたのですが。
スズナリは立地、大きさ、雰囲気の面で小劇場の上演側に人気があると思うのですが、自分はこういうことがあるからスズナリはあまり好きではありません。通路が確保されて椅子もきれいな新しい劇場のほうがずっといいです。そしてここまで満員御礼だと、いくら避難経路が複数用意されていて建物が大丈夫でも、避難の際の混乱が怖い。警戒すべきは空間の広さに対する人間の密度です。
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