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2011年11月14日 (月)

新国立劇場の演劇研修所が8期生の募集予告

要項は近日公開ですけど、載っていました。そのうち公開されるでしょうから興味のある人は毎日ホームページを確認してください。

贅沢なワークショップを演劇研修所で体験した者としてこんなことをいうのははばかられるのですが、個人的にはやっぱり、他人に対して役者という職業を勧められない。「炎の人」ではないけれど、表現系の職業は、もうそれをやらないと駄目というくらいの情熱が必要で、その情熱がある人はそもそも他人から勧められようが否定されようが関係ないのだと思う。業界関係者が勧めるのはわかるけど、一般人が勧めるとしたら、その人は人でなしではないかとも思う。

そして演技について言えば、一つ目は研修所で3年学んでも演技が身につくかわからないこと、二つ目は演技が身についてもそれで世に出られるかどうかはそれ以外の要因が無視できないくらい大きいこと、そして三つ目は研修所の路線の演技が身につくほど他の演技が出来なくなる可能性がありそう、という問題があります。特に最初の、身につくかわからないところは注意してください。ここが一般勉強と違うところ。スポーツに近い。あと世に出るには実力と同じかそれ以上に運やめぐり合わせが必要です。同期で世に出てモノになる人が、ゼロで当たり前、1人いれば上出来、2人いればラッキー、3人いたら奇跡の世界です。

それと、研修所の演技路線があっている人にはこの上ない環境でしょうが、でも自分で目指す演技路線がはっきりしている人ってそんなにいないんじゃないでしょうか。年齢制限に余裕があるなら、暫定でもいいから目指す演技路線が決められるくらいまで勉強して待ったほうがいいと思います。

ここでいう勉強は、演じるほうと観るほうの2つ。上演機会は3年のうち最後の半年だけなので、学生サークルでもなんでもいいから舞台経験を積んで自分に何が足りないのか問題意識を持つ。そしてひたすら芝居をはしごして、何がよくて何が悪いかを区別できるようになるまで観る。年間25万円が芝居見物投資の最低ライン。首都圏以外だと地理的につらいだろうところがネックですが。

あと、情熱は必要なんですが、情熱だけでは今の世の中通用しないので、理論武装の準備もしてください。平田オリザのこの本とか、面白いですよ。もしこんなの意味がわからないと思ったら、やっぱりしばらく待って、勤め人として1年でも2年でも社会人経験積んどいたほうがいいと思います。これも今時は氷河期なのがネックですが。

これだけ書いてもあきらめない人は、宮田慶子の言葉を読んでください。10年は長くて十分と思うかもしれませんけど、10歳年上の人に訊いてみてください。あっという間ですよ。

それでもかまわないという人だけが、ぜひ挑戦してください。

<2011年11月20日(日)追記>

募集要項が発表されていた。ずいぶんタイトな募集日程だ。そういえば、今回から募集人数を減らすってオープンスクールのときに聞いたのを思い出した。16人程度から12人程度になっているので、応募する人はそれも注意。

<2011年11月21日(月)追記>

募集人員を減らしていたのは去年からだったみたいです。すいません、訂正します。

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