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2011年11月14日 (月)

新国立劇場演劇研修所「ゼブラ」新国立劇場小劇場(若干ネタばれあり)

<2011年11月12日(土)夜>

両親が離婚し、母親の元で育てられた四人姉妹。長女と四女はすでに結婚して家を出ており、次女も間もなく結婚するため引越しの準備を進めている。が、母親が病気で入院して痴呆も進行してきたため、見舞いのために姉妹とその夫たちが集まっている中、病院から訃報が入る。

朗読でなく芝居で観たのは初めての演劇研修所公演(5期生)。すごい楽しみにしていた脚本で、鈴木裕美を演出に迎えての初舞台は、悪くはないんだけど、すごいこじんまりとまとまった印象。

観終わった今から考えても脚本のポテンシャルは高いと信じているんですが、それでこんな印象になった理由が今でもわからない。リズムが微妙にずれていたとは思うけど、2時間を切った上演時間で全体にそこまでずれていたとも思えない。葬式屋や次女の婚約者や四女の幼馴染は全体にやりすぎだけど、それは初演のときもそうだったからそれだけではない。鈴木裕美が初顔合せの役者に遠慮したか、そんな遠慮をする人間がここまで生き残っているわけがない。初演出の脚本家のノリをつかみ損ねたか、だとしたらこのレベルにも到達していないはず。

スタッフワークが原因か、むしろ秀逸。美術は初演とほとんど同じ構成なんですけど、天井の高い会場を生かして黒いすだれのかかった階段が用意されていて、回想場面で白い衣装を着た母親が階段を上って退場する場面が、照明と合わさって「ゼブラ」になる場面は白眉で(シマウマは死者が乗って天国に行くための聖なる動物、という台詞がこれより前にある)、母親が亡くなったことを表すのにあれ以上きれいな場面はない。あと最後の台詞「ばーか」の後の音楽は、何か聞き覚えがあるのに思い出せないんですけど、あの音楽なんですよね、あの音楽が合うようなラストにたどり着かないといけないと思わせる1曲。ほんと、スタッフは全力でお膳立てしていた。

だとすると役者の問題か。テンションが低い、エネルギーが足りない、迫力に欠ける、何と言ってもいいけど、おとなしすぎたんでしょうねきっと。おとなしいなりにレベルは揃っていて、だからこそ悪くはないという感想になったのでしょうけど、アンサンブルは長所をへこませるのではなくて、長所同士を合せてほしい。多少でこぼこでも、そこに長所があれば、それを拾ってアンサンブルに合せるのは演出家に任せてしまってもいいのだし。この人たちがどの程度芝居をやっていたのかは知りませんが、未経験であれだけできたら大したもの、だけど金を払いたいかと言われるとまだ。いい意味で気になる役者はひとりだけいましたけど、黙っておきます。

次回は12月に、演劇研修所副所長の西川信廣演出で岸田國士だそうです。この前文学座、16日から俳優座とただでさえ忙しい演出家ですから、時間が取れずにあの手ごわい脚本を相手にしたら惨敗するんじゃないかと心配ですが、研修生は小劇場よりむしろ新劇路線のほうが得意な可能性もあるので、判断は早まらないでおきます。

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コメント

初めてコメントをさせていただきます。

私は新国立劇場小劇場に舞台を観に行く予定があるのですが、舞台を初めて観に行くのでよく分からない事が多く調べていたら、管理人様のサイトにたどり着きました。

いきなりで大変失礼なのですが、管理人様が観劇なさった時ので結構なので新国立劇場の小劇場の舞台の高さを大体でいいので教えていただけないでしょうか。

最前列のチケットが手に入って喜んでたのですが逆に観にくい事もあるだろうな、と不安になってしまったので…

因みに観に行く舞台は「寿歌」です。エンドステージでやると思います。
返信はお時間がある時で大丈夫です。お忙しい場合は、そのままでも結構です。

コメント長文、失礼致しました。

>りえさん

初めまして。「エンドステージ」って言葉が初耳だったので思わず検索してしまいました。お詳しいですね。

小劇場は床が可動式なので芝居によるとしか答えられないのですが、劇場のページにこんなのがありました。写真が載っているので参考になれば(ここにエンドステージと載っていますね)。
http://www.nntt.jac.go.jp/about/teatre/pit.html

コメント返事ありがとうございました!!
急に質問してしまったにも関わらず、丁寧に返して下さってとても嬉しかったです。
演出家によって様々なのですね…
でも写真では、割りと劇場が小さく感じられましたので観劇するのが今からとても楽しみになりました。
お忙しいところこんなにも早く返して下さり、また調べて下さってありがとうございました。

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