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2011年12月30日 (金)

2011年下半期決算

決算です。

(1)キャラメルボックス・アナザーフェース「ナツヤスミ語辞典」新国立劇場小劇場

(2)虚構の劇団「天使は瞳を閉じて」シアターグリーン BIG TREE THEATER

(3)Project Nyx「伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪」ザ・スズナリ

(4)DULL-COLORED POP「Caesiumberry Jam」シアターグリーンBox in Box

(5)劇団☆新感線「髑髏城の七人」青山劇場

(6)維新派「風景画」西武池袋本店4階まつりの広場

(7)新国立劇場主催「イロアセル」新国立劇場小劇場

(8)TBS・サンライズプロモーション東京主催・制作「志の輔落語 in ACT」赤坂ACTシアター

(9)松竹主催「美女はつらいの」大阪松竹座

(10)文学座「岸田國士傑作短編集」紀伊国屋サザンシアター

(11)ホリプロ主催「炎の人」天王洲銀河劇場

(12)新国立劇場演劇研修所「ゼブラ」新国立劇場小劇場

(13)キューブプレゼンツ「有毒少年」CBGKシブゲキ!!

(14)第三舞台「深呼吸する惑星」紀伊国屋ホール

(15)世田谷パブリックシアター企画制作「狂言劇場 その七 Bプロ」世田谷パブリックシアター

(16)ままごと「あゆみ」横浜赤レンガ倉庫1号館

(17)M&O playsプロデュース「アイドル、かくの如し」下北沢本多劇場

(18)PARCO主催「90ミニッツ」PARCO劇場

(19)パルコ企画製作「ロッキー・ホラー・ショー」神奈川芸術劇場ホール

(20)さいたまゴールドシアター「ルート99」彩の国さいたま芸術劇場小ホール

以上20本ですが、隠し観劇が1本あって21本、チケットはすべて公式ルートで購入した結果、

  • チケット総額は118050円
  • 1本あたりの単価は5621円

となりました。上半期の10本とあわせて

  • チケット総額は177130円
  • 1本あたりの単価は5714円

です。後半に無理矢理詰込んだら30本に乗ってしまった。もっと減らさないといけないのに。

下半期の筆頭イベントはやはり新国立劇場演劇研修所のオープンスクール参加。あれはいろいろ刺激になった。ただ、神経の変なところを刺激されたようで、受講時に消化しきれなかったのはしょうがないにしても、年末になっても妙にひっかかっている。受講直後はためになったと思ったからこそあの5部作の長文エントリーを書いたけど、本当に受けたことがよかったことなのか、今になって迷う。いまさら受けない昔に戻る選択肢はないので、迷ってもしょうがないけど。

そこから展開していつにない読書。スタニスラフスキーを読んで、そのアメリカの末裔たちを読んで、日本の近代芝居の歴史を読んで、それを発展させた人の話を読んで。オープンスクールで受けた情報をとっかかりにして読めたので頭に入る情報量が違う。これも一度に読みすぎて消化に時間がかかった感はあるけど、どれも読んでよかった本。他に読んだ本、積読の本もあるけど、それは来年に持越し。

そして公共性の話。助成金の配分とか、文化庁の案とか、大阪の美術館とか、開演時間の話であれこれやとか、不正受給あれこれやとか。ありすぎてどうでもよくなる勢い。これ、自分の場合は公共性とか考えないで、まず観客として何を望むのかをはっきりしたほうがいい。

ようやく芝居。芝居については、11月に大空振り月間があって、12月はだいぶ持ち直した。ただ下半期の1本は8月のDULL-COLORED POP「Caesiumberry Jam」。後でまったく関係ない件で脚本演出家とやり取りしたけど、それとは無関係にこれ。通年だと、三谷幸喜の「国民の映画」も候補なんだけど、あれは本当に時期が悪かった。見逃したほうだと、青年団の「ソウル市民5部作」をあの長期公演期間で見逃したのは悔やまれる。他に(9)で初の関西遠征もあったけど、勢いだけで遠征するものじゃない。

3月の地震の後で芝居の趣味は変わって、その目でいろいろ観てきたけど、こうやって決算で改めて並べてみて、わざわざ観なくてもよかった芝居の多さに我ながら頭を抱えたくなる。玉石混合はライブパフォーマンスの常だし、芸能ごとは石のほうが多いのも常だけど、それにしても石のほうが多かったし、ひどい石もたくさんあった。なんでこんな結果なのかと考えたけど、玉を出せる人が関わっていない芝居では玉にならない、石が玉に化ける錬金術はない、鍵となるポジションにそもそも玉を作れる人がいないと駄目、というのが仮説。どこが鍵なのかはまだ確信がないけど、たぶん演出家。それが必ず当たりにつながるわけではないけど、駄目な演出家の芝居は何をどうやっても駄目なんじゃないのか。昔は脚本7割と考えていたんだけど、脚本がどれだけよくても、その良さを引出せないと宝の持ち腐れになるし、複数人の役者が登場する芝居で1人、2人だけいい役者がいても、いい演技が浮いたらよくない演技に見えるので意味がないので、全体を調整して高い水準に持っていけないといけない。もちろん舞台で演じているのは役者だけど、いい役者が揃っても駄目な場合は駄目なのも事実。

話を元に戻して、地震の後の目で観て、芝居という表現分野のポテンシャルは実感したけれど、そのポテンシャルを使いこなせる関係者の少なさも実感した。自分は「芝居ファン以上、芝居マニア未満」と自分を位置づけているけど、そんな自分は、迷った芝居は観に行かないという態度でちょうどいいというのが結論。面白い芝居は面白くても、そんなに面白い芝居はめったにない。もっと意図的に時間と費用を減らさないといけない。去年の目標が実行されていないのは反省材料。月1日2本、年間最大で12日24本という同じ目標を継続。本数より時間優先で縛ったほうがいいかも。実際、仕事でいろいろ変化があって、趣味にうつつを抜かしている間に仕事がよくない状態になってしまった。これを切抜けることが最優先で、芝居は観たくても我慢するくらいでちょうどいい。

最後にブログのエントリーについて。この決算を書くために読み返したら、長文が増えている(そもそもこの決算も長文だ)。しかも文章として破綻しているものもある。自分の理想は簡にして要を得た短文だし、そもそも文章がおかしいのはもってのほか。なのに、これが自分でいうのもなんだけど、面白かった。たぶん、自分で考えて、考えた結果が書きたいことになって、それを考えたなりに書いたため。他人が読んだら意味不明な文章でも、自分のためにはとてもよい結果だった。初代ブログから中断をはさんで8年目、誰に頼まれたものでもない自分のためのブログは、ひょっとしていいものかもしれない、と初めて思えた。

この11月、12月の更新頻度と長文とが異常で、今後はもっとそっけないブログに戻るかもしれませんが、むしろそれが本来のこのブログです。引続き細く長くのお付合いをよろしくお願いします。

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