2011年上半期決算
恒例の決算です。
(1)柿喰う客「愉快犯」東京芸術劇場小ホール2
(2)新国立劇場主催「わが町」新国立劇場中劇場
(3)春風亭昇太プロデュース「春風亭昇太十八番シリーズ」下北沢本多劇場
(4)野田地図「南へ」東京芸術劇場中ホール
(5)パルコプロデュース「国民の映画」PARCO劇場
(6)パルコ企画製作「欲望という名の電車」PARCO劇場
(7)ままごと「わが星」三鷹市芸術文化センター星のホール
(8)イキウメ「散歩する侵略者」シアタートラム
(9)ナイロン100℃「黒い十人の女」青山円形劇場
(10)世田谷パブリックシアター企画制作「モリー・スウィーニー」シアタートラム
以上10本、隠し観劇はなし、チケットはすべて公式ルートで購入した結果、
- チケット総額は59080円
- 1本辺りの単価は5908円
となりました。それなりに新しいものを取入れたつもりですが、野田秀樹、三谷幸喜、松尾スズキ、KERAという有名どころを観ると単価に反映されるのはやむを得ないものがあります。あと、新しいものを取入れた結果が国公立劇場に偏っているのは、今後の芝居を主導する集団が誰であるかについて、ある種先取りしている感を覚えます。これは何かの機会に別エントリーを書ければと考えています。
上半期は3月11日の大地震と津波、それに続いてまったく収束の気配がない原発問題があって、芝居を観る視点に上手く言えないのですが、転換がありました。地震の直後にはずいぶん乱暴なエントリーを書きましたが、それが落着いたらなんか偉そうなエントリーを書いていました。3月11日以降に観た芝居の数は少ないのですが、その中ではイキウメの1本が、まだまだ未完成ながら(再々演なのにそれもどうかとは思いつつ)、可能性を感じさせてくれました。
そしてアーツカウンシル騒動。もともと「アーツカウンシルって何じゃらほい」というエントリーを書いていたのですが、そこから引張られて何かよくわからないうちに勢いで「アーツカウンシルでパブリックコメント募集中」、「『アーツカウンシルとは』に対するパブリックではないコメント」、「アーツカウンシル騒動終わりました、プログラムディレクター募集中です」という3本の長文を書いていました。これもいろいろ書いて、特に最後は暴言を吐いていますが、落着いた今となっては書きすぎたと思っています。ただ文章が雑なのは置いておいて、この短期間で自分が気になる事をこれだけまとめたというか、これだけの情報が自分の中に蓄積されていたのに気がつけたのはよかったです。あとこの問題を通して、公と私の境界、国と自治体との仕事の分担について自分なりに問題意識を顕在化できたのは思わぬ副産物でした。
物事はなんでもそうですが、芸術を語るにも、全体を見渡す大きなフレームワークを見つけることと、内容の大小というか上下関係というかレイヤー分けをしっかりすることで、他の人の話を理解できること、そして適切なレイヤーに沿って意見を説明できることが、観客にも演者にも制作者にも大事なことだと思います。そんな偉そうなことを言わなくても、せめて芝居の感想くらいはわかりやすい文章を書けるように精進します。
引続き細く長くのお付合いをよろしくお願いします。