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2012年3月29日 (木)

ヴォネガットの創作講座初級篇

こんなんみつけましたので引用しておきます。ヴォネガットってそういえば読んだことない。

《創作講座初級篇》
1.赤の他人に時間を使わせた上で、その時間は無駄でなかったと思わせること。
2.男女いずれの読者も応援できるキャラクターを、少なくとも一人は登場させること。
3.例えコップ一杯の水でもいいから、どのキャラクターにも何かを欲しがらせること。
4.どのセンテンスにも二つの役目のどちらかをさせること…登場人物を説明するか、アクションを前に進めるか。
5.なるべく結末近くから話を始めること。
6.サディストになること。どれほど自作の主人公が善良な人物であっても、その身の上に恐ろしい出来事を降り掛からせる――自分が何からできているかを読者に悟らせる為に。
7.ただ一人の読者を喜ばせるように書くこと。つまり、窓を開け放って世界を愛したりすれば、あなたの物語は肺炎に罹ってしまう。
8. なるべく早く、なるべく多くの情報を読者に与えること。サスペンスなぞくそくらえ。何が起きているか、なぜ、どこで起きているかについて、読者が完全に理 解を持つ必要がある。たとえゴキブリに最後の何ページかをかじられてしまっても、自分でその物語を締めくくれるように。

昔、ジェームズ三木が、テレビドラマは観ている人を逃がさないように最初から展開を早くする、舞台は遅れてくるお客様のために少しずつ展開する、って書いていたけど、定番の技術はあるんだろうな。

初めに伝えたいことありき、とは思うけど、伝えたいことがあることと、伝えたいことを上手に伝える技術とはまた別なので、技術をもっているにこしたことはない(別の考え方もあるけど、それはまた改めて)。観るほうとして技術を把握していたほうが幸せかどうかはわからない。似たような芝居を観て毎回驚けるならそれはそれで幸せかも。でも自分は知っておきたいほうの人。

脚本の書き方の本は、本屋ではたくさん見かけるけど、まだ読んでいない。あ、平田オリザの「演劇入門」は読んだ。どちらかというと映画の脚本の書き方のほうが本の数としては多い気がする。個別の技術から構成まで、何かお勧めの本があったら教えてほしい。

2012年3月26日 (月)

C.I.C.T./ブッフ・デュ・ノール劇場製作総指揮「魔笛」彩の国さいたま芸術劇場大ホール(ネタばれしてもいいよね)

<2012年3月25日(日)昼>

森に迷い込んだ王子が、夜の女王から娘の救出を依頼される。魔笛を渡された王子は、森の中で蛇に襲われたところを助けてもらった鳥刺しの若者と救出に赴く。

最初に謝っておく。オペラとか歌舞伎とか、正真正銘の古典ものは、やっぱり予習しておかないと駄目だ。ピーター・ブルックの芝居をよく知らないで、きっとスピーディーな芝居に翻案しなおしたんだろうくらいの気持ちで出かけたら、超ど真ん中のオペラだった。90分だったから普通のオペラ上演に比べればはるかにスピーディーなんだろうけど。

オペラだからネタばれしてもいいと思って書くけど、娘をさらったザラストロは、実は娘の亡き父親が信頼していたどこかの神殿の長で、夜の女王が野心家で、後にはザラストロの部下を唆してなんたらかんたら、なんだけど、よくわからない。王子が娘と結ばれるのはいいとして、パパゲーナにパパゲーノができるのがよくわからない。元々が庶民向け芝居らしいから、場面ごとの歌や盛上がりを楽しむのが吉で、考えたら負けなのかも。

元に戻ると、竹(とピアノ)しかない舞台に、普通の芝居っぽい衣装の登場人物。音楽はオーケストラの代わりにピアノ一本。小道具少々。当日パンフによると、登場人物を削ったり、楽譜を書換えたり、モーツァルトのほかの曲も使っているらしい。娘の救出劇に焦点を当てて短縮したってことでいいのかな。それでも90分とは思えない内容だった。あと、夜の女王のアリアとか、パパゲーノ・パパゲーナとか、有名な曲を聴けて満足。役者ではザラストロ役のヴァンサン・パヴェジがよかった。

たぶん、このくらいシンプルに上演できるんだぜ、ってところが一番の驚きで、それはオペラに詳しい人ほど驚くところだと思うんだけど、日本の小劇場を見慣れた身としてはそこには驚かない。その源流にピーター・ブルックがいたとしても、そのさらに源流に能や狂言があるわけだし。で、予習不十分で物語がよくわからなかったのは冒頭に書いたとおり。体調不十分だったのは認めるけど、カーテンコールの絶賛振りがまったくわからなかった。あれ、オペラ好きの人がたくさんいたんだろうか。歌も役者も上手かったとは思うけど、話がわからないからついていけなかった。歌舞伎もよう知らんのに、オペラ方面もいつか勉強しないといかんとは。もう一回謝っておく。上手いとは思ったけど、今の俺にはわからなかった。

あと、C.I.C.T.というのが国際演劇研究センターでピーター・ブルックが主宰していて、その本拠地としてブッフ・デュ・ノール劇場というのがあるのかな。劇団名相当に何を書けばいいのかわからないので、製作総指揮のクレジットを採用したのであしからず。ちなみにその劇場はこれらしい。何をやっても期待してしまうという当日パンフの言葉もわかる。世田谷パブリックシアターを一度廃墟にするとこんな感じになるのかな。

<2012年3月27日(火)追記>

これを読んだ。王子による王女の救出劇という以外に、神殿の長による悪い女王をやっつける要素もあったのかな。で、通常のオペラだと勧善懲悪でやるところを、寡婦の不安感にも同情できる舞台だったと。言われてみればそうかもしれないけど、だとすると、寡婦の不安っていうテーマで3本連続観たことになる。なんだこの流れ。

2012年3月25日 (日)

シス・カンパニー企画製作「ガラスの動物園」Bunkamuraシアターコクーン

<2012年3月24日(土)夜>

1930年代のアメリカ。父は出奔し、母は女手ひとつで子供を育て、姉は極度の内気で他人との会話もままならず、弟は倉庫の仕事にうんざりしている。姉の将来を心配する母は結婚相手を探すことを弟に依頼し、ある日の夕食に仕事先の友人が招かれることになる。

題名だけしか知らないで観たら、なんと2週続けて同じような家族構成の、同じような狂気。ただし今回のほうがさすがの仕上がり。

先週のDULL-COLORED POPはものすごい情報量をいろいろなところに込めて、登場人物のいろんな思惑を立てようとしていた。そういうところが最近っぽい。だけど今回の話は、すごいシンプルな粗筋でどこまで積木を積めるかの勝負。絶対バッドエンドの話だと信じていたから最後にどう落とすかと思って観ていたら、ものすごい単純な展開で落として、いわゆる古典は何て素直な脚本なんだと妙に感心した。こういう素直な脚本は緊張感勝負で、役者同士がかみ合わなかったり、役者がひとつ嘘の演技をすると、それだけで積木が崩れる。だから演出家や役者には手ごわい。

それが成立したのは、まずは立石涼子と深津絵里の2人。男性陣もよかったけど、でも女性陣2人のほうがすごかった。母親は、もし自分が脚本を読んだら、弱くて古風なお婆さんという感じに想像したとおもうけど、立石涼子はよかれと思ってやっていることが価値観の押付けで子供を圧迫する母親にした。もっと深くてやわらかい声が出せる人なのに、嫌なおばさんのダミ声で高圧的だったり泣き落としだったり、自由自在だった。それを受ける深津絵里のおどおどした声。最初はやりすぎだと思っていたけど、これがだんだん馴染んできて、後半に男性と2人きりで話す場面で、それまでより少しだけ普通っぽく話すところの差を聴いて、応援したい気分にかられた。

これを演出したのが長塚圭史だと休憩時間に思い出したけど、見直した。ダンサーというかコロスが出てきて、場面転換をしつつ、登場人物の不安を表すことも担当していた。あれがまた観ていて不安と不快の微妙な境をついてきてこまる。音響も照明も舞台も衣装も、全体に不安と不快の混ざったようなトーンで揃っていて、ベテランの名前が多かったけど、それだけでなく明確な方針があったんだろうなと想像したくなる見事なスタッフワーク。

それにしても70年近い年月を隔てて、高圧的な母親と圧迫される子供の物語を新旧観る事になったのは、これが昔からある構図なのか、それとも時代の転換点には依存と独立が語られやすいのか。今回上演されてもまったく古さを感じない点は、いくら名作とはいえどうなんだ。長塚圭史は確かDULL-COLORED POPの今日のアフタートークに出ているはずだけど、あっちを観て、何を思って、何を話したんだろう。でも長塚圭史のほうが、構想が2回りくらい大きい印象。おまけの話しだけど、体調はまだ悪いけど、今回観終わった後にすごい心がすっきりした。すっきりしたというか、正気に戻った感覚。カーテンコール2回で終了のバッドエンドの話を観て正気が戻るというのも変な話だけど、そこに込められた着想、エネルギー、問題意識から元気をもらった。観終わって満足。

それなら無条件でプッシュするかというと、難点がひとつ。深津絵里がきれいすぎて、姉役の信憑性に若干の疑問が残った。別に汚い深津絵里なんてみたくないので、難癖と言われてもしょうがないけど。深津絵里のことを、いけてないOLを演じたら天下一品だけど、いけてないOLが自分を重ねてみるには美しすぎる女優、とかつて評した松尾スズキの慧眼を今更実感することになるとは思わなかった。

<2012年3月25日(日)追記>

DULL-COLORED POPに対して「小劇場らしいお芝居だった」というコメントがあったらしい。そうだと思う。でもその差がどこから来ているのか、佳作と名作をわけるものは何か。あの芝居に立石涼子が出ていればよかったのか、長塚圭史が演出すればよかったのか、脚本で猫がしゃべらなければよかったのか。差はほんの少しだと思うけど、決定的な差で、そこがわからないんだ。

2012年3月18日 (日)

DULL-COLORERD POP「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」アトリエ春風舎

<2012年3月18日(日)昼>

夫婦に息子、娘の4人家族。子供たちはすでに家を出ているが、久しぶりに集まったのは父が亡くなったため。葬儀も終わり、疲れた母をお手伝いがサポートし、息子が帰ろうとしたときに、娘が引止める。父の机から遺言書が見つかったため、開封するために全員の戸籍謄本が必要だという。

面白いかつまらないかで言えば面白い。けどあのエンディングまでの過程の後味の悪さを味わうには体調不良できつかった。実際にありそうな話をここまで掘って転がすのもすごいけど、こういう話を創る人たちの頭の中というか興味というかよくわからない。猫の位置づけがよい。オチは途中で何となく想像ついたけど、やっぱり後味悪い。

ビール飲んでる公開駄目出しまで観たけど、エアコンか気温か、この劇場寒い。あとチケットの半券に値段書いておいてください。
・振付になってきているのでもっと自由に、相手の反応を見て(多数)
・もっと間をかぶせて、あるいは引張って(多数)
・あの場面はもっとXXを出して(多数)
って感じ。さすがに前半千秋楽だから致命的な駄目出しはない。でももっといけるかも、と思った場面はしっかり指摘されていた。ぬるっとセクハラしてたのは、まあエンターテイナーってことにしておく。

他に、公開稽古を観た観客のリクエストでエンディングの別バージョンを試したり(うけたら採用、といいつつうけずにあっさり却下)、この会場が70席で次の新潟が843席(だったか)なんでこの会場が何個入るんだかわからないけど大きな劇場で試したいことはたくさんあるからミザンスは変えるのに前向きとか、平田オリザみたいに舞台上特設席にいかないのはすごい。

最後の質問でこれはハッピーエンドかバッドエンドかの質問が出て、6対4か7対3くらいでハッピーエンドが多くてびっくりした。自分はバッドエンド派だったので何でだろうと思ったけど、あれはたぶん音楽に引張られていると思う。音響は演出家からのメッセージ。音響なしだったら半々くらいにはなったはず。でもどっちともとれるのは確か。

こうやって書いているうちにどんどん体調が悪化しているのでこのくらいで。これから観る人は体調を十分に整えてください。で、ハッピーエンド派かバッドエンド派か、観終わったら考えてみてください。毎公演挙手させてみてほしい。

2012年3月10日 (土)

togetterより「最近気になってる小劇場の若い役者」

元の人は第三舞台の人だったんですね。そのころはまだ芝居を観ていないので存じ上げずに。で、まとめを読んだら、注目されている役者が大勢いた。そういう人のフォローワーということもありますけど、みなさん詳しいですね。世の中の知りたいことを全部知ることができるなんていまさら思っていないけど、新しいことも適当に取入れないと。

芝居以外に時間を割かないとと思っていたら、逆に仕事以外の時間を確保する重要性に気がつく始末。なんだこれ。今年に入ってから観たのって志の輔落語だけだ。芝居だけが人生でも趣味でもないのだけど、でもこのままだと心が枯れてしまう。

とりあえず今月は余分に芝居を観る余裕があったら観てもいい。つーか無理やりにでも観に行っとけ俺。

2012年3月 4日 (日)

俳優指導者アソシエーションで「シリーズ 俳優指導者のすべて」なんてやるそうな

しのぶの演劇レビューで発見。公式サイトはこちら。講師の名前に何名か見覚えがあったり。新国立劇場演劇研修所に縁のある講師陣ですね。ただし説明会のみ日程があって実際の日程は4月5月6月で各1日終日の3回だけど日程未定。ついでに費用も不明。説明会が都内だから本番も都内かな。参加対象者に

職業として俳優指導などを名乗っていて、その職能にさらなる磨きをかけたい方。また「シリーズ 俳優指導者のすべて」にご興味のある方。

とかあるから興味があれば別に誰でもいいみたいなので心引かれるけど芝居観る余裕もないよちくしょう。年度末がはさまると自分のスケジュールが不透明になるのもなあ。参加者におかれましてはぜひどこかに内容を書いてアップしていただきたく。

2012年3月4月公演のメモ

手抜き。どれも観たいけどどうしよう。

 

・世田谷パブリックシアター企画制作「サド侯爵夫人」2012/03/06 - 03/20@世田谷パブリックシアター:本を読んで三島由紀夫に興味がわいて、6人の女優陣も申し分ないけど、演出の野村萬斎が不明要素。

 

・シス・カンパニー企画製作「ガラスの動物園」2012/03/10 - 04/10@Bunkamuraシアターコクーン:今まで見逃していた古典に、深津絵里と立石涼子という「春琴」を思い出させる2人がキャスティング。

 

・DULL-COLORED POP「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」2012/03/14 - 03/18@アトリエ春風舎:新作らしい。全国ツアー後に04/03 - 04/08で同じ会場で。

 

・大人計画「ウェルカム・ニッポン」2012/03/16 - 04/15@下北沢本多劇場:チラシからは松尾スズキのターニングポイントになるような予感を感じさせるのだけど、さて。

 

・公益財団埼玉県芸術文化振興財団「魔笛」彩の国さいたま芸術劇場 大ホール:ピーター・ブルックの来日公演。

 

・青年団「平田オリザ演劇展 vol.2」2012/04/05 - 04/16@こまばアゴラ劇場:平田オリザ演出3本に演出は劇団員にまかせたのが2本。アンドロイド演劇あり。

 

・ナイロン100℃「百年の秘密」2012/04/22 - 05/20@下北沢本多劇場:安心のキャスティングだけど、あれだけいた若い劇団員はどこにいったのだろう。

 

・NODA・MAP企画製作「THE BEE」2012/04/25 - 05/20@水天宮ピット 大スタジオ:冗談抜きのワールドツアーで、日本が最後。

 

結局2月は1本も観られなかった。しかもそうするとチラシが入手できないから気になる芝居の確認が滞る。

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