俳優座劇場プロデュース「東京原子核クラブ」俳優座劇場
<2012年6月30日(土)昼>
食事が粗末な代わりに家賃も安い、昭和戦前の東京のある下宿屋。理化学研究所に勤める研究者の他に、様々な人たちが下宿している。やがて戦争を開始する世の中に翻弄される下宿人たちを、物理学の研究の発展を中心に描く。
一回観て、もう一回観たくてしょうがなかったんですが、ようやく願いがかないました。ただ前半がやけに大味で、思い出補正を考慮しても劣化した感が拭えなかったんですが、休憩を挟んで後半になったら見違えるようによくなるという、今まであまり観たことのない仕上がりでした。前半と後半で別の人が演出したような。
でも雨の晩に下宿に西田教授が人を訪ねてくる場面からラストまでの、あの流れはやはりたまらないものがありました。ぐっとくるとはこういう事だ。満足しました。
私が前回観たのは俳優座劇場初演の2006年版で、そのときと役者はほとんど変わっていませんが、印象はだいぶ変わりました。今回は実験屋の田中美央と、海軍軍人の渡辺聡がとてもよかった。
満足したので感想はここまで。俳優座劇場プロデュースは今回(この後ツアー)で最後らしいので、宮田慶子演出版に代わって今度はマキノノゾミ演出版で別キャストでも観てみたい。ほんといい脚本です。
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