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2012年8月13日 (月)

パルコ企画製作「三谷文楽 其礼成心中」PARCO劇場

<2012年8月12日(日)夜>

近松門左衛門の「曽根崎心中」がヒットした江戸時代の上方。舞台になった天神の森が心中の名所となってしまい、夜な夜な心中したいカップルがやってくる。森の近所で饅頭屋を営む夫婦だが、心中の影響でただでさえ芳しくない売上は激減。これ以上心中を増やさないように見回り中に見つけた心中志願のカップル。自分の饅頭屋に連れて行って説教するうちに、妙案を思いつく。

最近は補助金削減で話題になった文楽にようやくデビュー。王道のコメディーが文楽を通して、誰でも楽しめる2時間でした。

太夫が3人、三味線が4人、人形遣いが13人かな、他にお囃子もあって、そのくらい大勢でやるんだからずいぶん大掛かりです。もっと狭い範囲でやると思ったら、ほぼ舞台全般を使って普通の芝居の役者と同じように人形を動かしていた(できるだけ人形が横に並ぶようにして、出入り以外は奥行きをあまり使わない)。想像以上に人形がスムーズに動いて(これが技術なんだと思うけど、他に観たことがないからわからない)、むしろ人形のほうが大げさに動かすこともできて、その点で笑いを取れるだけ人間よりも有利かも。で、太夫は一人で何役もやりつつ、途中で交代したりして、でもそれで人形の人格が分裂することもなく、感心してました。

カタカナ言葉を言わせたり、舞台装置を積極的に使ったりするのは三谷幸喜の工夫だと思いますけど、いい意味で適当でした。話の展開は落語かイギリスコメディあたりにありそうですけど、オチまできっちりつけていました。冒頭の補助金削減の話もあって、ここで外したら目も当てられないところ、確実に当ててくれる三谷幸喜は頼りになります。

で、文楽賛成かというと、それはこれからもう少しいろいろ観てからの話です。節をつけた謡?語り?が多いのですが、言葉が聞き取りづらくて、個人的には嫌いなのです(歌舞伎もそう)。なぜあんなに節だらけなんだろうと考えて思いついた理由が2つ。ひとつは、これは日本流ミュージカルであるということ。なので、ミュージカルで歌が挟まるのと同じ頻度で節が付くと考えるとまあ理解できる。もうひとつは、人形が後付けで、節や三味線を楽しむところがメインなんじゃないかということ。むしろそういうのを習っていた人たちがプロの技を聴きに行っていたんじゃないか。だとすれば物語は従で、音楽が主で、それなら節回しを外すわけにはいかない。いや単なる推測ですから外れていたら申し訳ない。

ただ、物語があって、それを体現する役者がいて、それを正しく体現させる演出家がいるという芝居の構造を期待している身としては、先に音楽があって、それを引立たせるために物語があって、それを上演するために役者(人形)があるような構造だとつらい。ここ一番でうなってくれるのはいいんですが、8割うなられると個人的にはつらい(ついでにいうと私はミュージカルも苦手)。

なので、貴重だから残しておこうという話は理解するのですが、今回の面白さは三谷幸喜の脚本演出に依存する点が大なので、面白いから残しておこうかという話に対する評価は保留です。もう少し観てから。ただ、古典脚本にこだわる必要がなければ新作の可能性は一気に広がるし、江戸時代にこだわる必要がなければ可能性は無限大です。ネタですけど、人形だったらなでしこジャパンのサッカー試合とか再現できるんじゃないでしょうか。人間の役者にはできない要素を盛込むことで、他の種類の舞台よりも有利になれそうな気がしますので、引続きの健闘を願っております。

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