2012年下半期決算
恒例の年末決算です。
(1)公益財団法人可児市文化芸術振興財団主催「高き彼物」吉祥寺シアター
(2)Bunkamura/大人計画主催「ふくすけ」Bunkamuraシアターコクーン
(3)パルコ企画製作「三谷文楽 其礼成心中」PARCO劇場
(4)劇団、本谷有希子「遭難、」東京芸術劇場シアターイースト
(5)野田地図「エッグ」東京芸術劇場プレイハウス
(6)DULL-COLORED POP「完全版・人間失格(女バージョン)」青山円形劇場
(7)PARCO/キューブPresents「こどもの一生」PARCO劇場
(8)大人計画「生きちゃってどうすんだ」ザ・スズナリ
以上8本、隠し観劇なし、チケットはすべて公式ルートで購入した結果、
- チケット総額は39900円
- 1本あたりの単価は4988円
となりました。上半期の10本とあわせると
- チケット総額は93400円
- 1本あたりの単価は5189円
です。年末最後に見納めしたかったのだけど、都合がつかなかった。本数的にはこのくらいが狙ったとおりなのでよいのだけど、その陰で見送られた芝居の数々には御縁がなかったとお祈りメールを送り続けるような日々。
今年は「東京原子核クラブ」も観られたけど、やっぱり「百年の秘密」かな、とか思いながら年末を迎えたら、最後の最後に「生きちゃってどうすんだ」が出てきて、これが今年のトップです。単純に面白いというのもあったけど、おっさんの年齢に足を踏入れた人間としては、あのおっさんの不安と肯定と諦めと意地と真面目と不真面目とあといろいろが混ざった微妙な感覚に引きこまれた。今思えば誰が観ても面白いから口コミプッシュを出してもよかったんだけど、観終わった直後は、個人で反芻して反芻して液体になってもまだ反芻しないといけないような気持ちになったので、口コミプッシュにまで考えが及ばなかった。
最近は劇団芝居が減っているので、演出家を劇団名代わりに利用している。つまり、よく知らない演出家の芝居を観ていない。小劇場出身の芝居はたくさん観ても、今の小劇場は全然観られていないのはそれもあって、観る本数を減らすと決めたのだから、それは如何ともし難い。KERA芝居だって見送っているくらい。
そう考えながら演目を見直したら、数え方にもよるけど、だいたい半分が再演モノだった。これは有り。むしろ世の中の劇場の半分くらいは再演モノ限定にして、脚本の段階から全体のレベルを引上げつつ、芝居を観る側に対してもある程度の品質保証ができるようになったほうが、出るほうも観るほうも幸せになれるんじゃないかと思う。そうすれば、新しいモノ限定の劇場なり企画なりも成立って、もうちょっと物事が経済的にも芸術的にも潤いが増すのではないかと夢想する。
個人的には、これも年末に突然気がついた声の話が、非常にポイントが高い。ただ全体では、2011年の反動がきたというか、2012年の不幸を払いのけるエネルギーが足りなかった。もう、そんなことにかかずらっているより、次に行け自分。去年の決算には「この11月、12月の更新頻度と長文とが異常で、今後はもっとそっけないブログに戻るかもしれませんが、むしろそれが本来のこのブログです」と書いていて、その通りになった。ブログはこれでいいのであって、ブログじゃないところで動きたい。
引続き細く長くのお付合いをよろしくお願いします。