パルコ企画制作「ホロヴィッツとの対話」PARCO劇場
<2013年2月17日(日)昼>
世界的名ピアニストのホロヴィッツが、毎回その腕を頼む調律師の家を訪問してディナーを取ることになった。気難しい人物として有名で、それを自分たちも接していてよくわかっている調律師夫妻が慌てて準備を済ませ、ホロヴィッツ夫妻を迎えるが、気難しいことこの上ない。
有名な4人の俳優にピアノ演奏をいれての4.5人芝居。映像メインの2人は実に誠実というか素直な役作りで好印象なんだけど、小劇場出身の2人のアクの強さは良くも悪くも目を引く。そこの対比が見所のひとつ。ピアニストにほんのちょっとだけ小芝居をさせるのは前からのことで、嫌いではない。舞台栄えする感じがよくて、三谷幸喜が贔屓にする気分がわかるような気がする。
全体に笑いありシリアスありで、一言で言えば三谷幸喜がよくいうところの「後に何も残らない喜劇」。4.5人の熱演は認めるし、段田安則によるデフォルメもありだとは思う。けど、これだけの役者も揃えておいて、過去の出来事に頼ってホロヴィッツを掘りさげられなかった点で、個人的には脚本演出の負けとしたい。値段が値段なので。
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