世田谷シルク「ブラック・サバンナ」アトリエ春風舎
<2013年4月14日(日)昼>
隕石が地球に衝突して宇宙人が侵略してくるという話が世界を覆う中、その日が来て人類が壊滅的な打撃を受けたが、とある条件を満たしていた日本人がアフリカのサバンナで一命を取りとめる。合流した彼らは生活のためにコミュニティを構えながら、やがて来るという宇宙人との対面の準備を始める。
初見。書けば書くほど概要が実際の舞台から遠くなるというか、いまいち概要が把握できていないのは、そもそも設定が適当だから。実際には衝突の詳細を職業柄知っている姉と、衝突後に助かった弟の話がメイン。これ自体は小品としてなかなか観られる話。あと、野蛮な感触の残ったダンスが個人的にものすごい気に入った。これは会場の広さが足りないので、シアタートラムの四面舞台(円形劇場ではないな)とかで観てみたい。
ただ、言いたい事を言うために設定が荒唐無稽になったり、つじつまが合わなくなったりするのは有りでも、その設定に比してメインの筋をものすごい小さいところに集約させたので、さすがに違和感あり。「散歩する侵略者」のような、「でもいい」、という感想までは届かず。オチの投げっぷりは個人的にはあれでいいと思うが、それなりに物語を持っていると思われる周辺人物の出番が不足して、弟のいる場所に人物が集まって弟向けの会話が進む不自然な仕上がりはもったいない。神は細部に宿り給うので、脚本を加筆再構成して再演に挑戦してほしい。そしてどうでもいいけど、劇団名が無駄に格好いい。劇団名というよりはダンスカンパニー名っぽい。
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