DULL-COLORED POP「プルーフ/証明(前半バージョン)」シアター風姿花伝
<2013年5月26日(日)夜>
天才数学者にして大学教授だが、晩年は精神を病んでしまった父の面倒を見ていた次女。父が亡くなり、元教え子が遺稿を整理する中、葬式のために長女が帰ってくる。その翌日、ある数学の定理の証明を書いたノートが見つかり、教授の遺稿だと驚く元教え子に、それは自分が照明したものだと次女が言い出す。
2演出家3キャストの、前半公演。映画化までされただけのことはあって、非常によく出来た四人芝居。その代わり、四役とも互いにとても微妙な好悪のやり取りとさじ加減が必要で、普通の芝居なら60点で及第点のところを最低でも90点が要求される難しい脚本。その中でも主人公に負うところ大。ただ今回のバージョンでは、主人公のテンションに周りが追いついていないし、そのテンションも制御されていない点で、90点には届かず。
テンションが低いよりは高いほうがいいのだけど、あれだけ高いなら誰か刺さないと不自然だし、あのラスト場面でいきなりトーンダウンしすぎだし、長女から不安定な性格と心配されつつも父の面倒を5年間診てきたある種の強さや、その期間の父に対するよい感情が切落とされていると思う。造形のひとつではあると思うけど、脚本の要求する主人公はもっと面倒にも思える。
<2013年5月27日追記>
一つ気がついた。何かこの芝居に違和感があると思っていたら、姉が美人でちやほやされるのに対して、主人公の次女はもっと地味で内向的で自分に自信がない女性なはずなんだ。「お姉ちゃんならそうしてもらえるかもしれないけどさ」みたいな台詞があった。そこにきれいでエネルギーあふれる女優をそのまま出すからいけない。
<2013年6月1日追記>
いろいろ気がついたり間違っていたりしたので後半バージョンの感想も合せてご覧ください。
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