« リンク付の雑談を3つばかり | トップページ | 再掲載:当日券に10のお願い »

2013年6月 9日 (日)

その資格を定義せよ

紹介されていたので日本演出者協会による「若手演出家コンクール」 なるものがあることを知りました。演出家にだってコンクールがあってもいいよねそりゃ。賞金もまずまずの額が出るようで、若手には悪くない。文化庁の委託事業だとか主催だとかに(仮)があるのは予算を分捕るのが遅れているんでしょうか。確定した暁には修正してもらいたいものです。審査対象の時期が煩雑に見えるので、もう毎年やるなら年中宣伝して、最初からこの日程での上演を目指せるようにしてほしいところ。

ところで若手というなら応募資格は何歳かと気になったら、「自分を若手(新人)と思う演出者」ってなっていた。何かふざけているのかな。年齢で縛るのが嫌なら、キャリア何年なり、通算演出数何本なりで縛ればいいのに。両方気になるなら、隔年で年齢縛りとキャリア縛りを交互に導入すればいいのに。

それがお祭り騒ぎである以上の何らかの目的を持っているのであれば、達成したい目的があって、それにそって物事が定義されてしかるべき。芸術系の賞は作品賞と作者賞が主だろうし、今回は若手演出家と銘打っているのだから、まだ世の中に名の知られていない、けど今後長く活躍してくれそうな演出家を、賞金、上演機会、知名度向上の3点でサポートしたいものだと思われる。であれば、何をもって名を知られていないとするか、どのくらいをもって今後長く活躍してくれそうとみなすか。

それは業界によって違って、サッカーなら30過ぎたら引退が視野に入るし、政治家の世界なら当選回数だろうし、まちまち。ちなみに新国立劇場の演劇研修所だと募集対象は満18才以上満30才以下となっている。西洋演劇界だと25歳までが若手という賞もあると読んだ記憶があるけどソースが思い出せない。

物事を定義するということは、定義に対する質問や抗議にある種の責任を引受けることで、ひらたくいうと、面倒くさい。けど、企画に限って言えば、その定義をすることで目的がはっきりとして、その後の行動や判断指針も明確になる。芸術作品自体の評価に関して言えば、曖昧さが作品の広さ深さにつながることもあるけど、応募資格は芸術作品ではない。仕事である種の融通さを残したいことはままあるけど、税金が使われる委託事業で、この段階での融通を残したい意味がわからない。

仮に30才までを若手と定義して、それで31才だけど演出を始めたばかりの人間から苦情がきたら、この賞は今後の活躍期間を重視してキャリアではなく年齢で若手を定義している、決め事なので境目は発生するので悪しからず、ということをもう少し上品に言って断ればいい。賞は主催者が勝手に設けたものなのだから、よほど特定の応募者を贔屓するような資格でない限り、資格を区切る資格はある。

文化庁が委託したのなら、その委託元として、この事業の目的を再考して、資格を定義する責任がある。若手に年齢以外の要素も考慮したいのであればなおさら。少なくとも、演出業界の若手の定義を委託先の日本演出者協会に依頼する責任がある。

アーツカウンシルの話とか、劇場法の話とか、事業仕分けの話とか、国が絡む話を読むたびにひっかかるのは、国がこの手の芸術モノをどういうものとみなし、それが国民にとってどういう位置づけで物事を進めたいのか、文化芸術振興基本法とか読んでも全然わからないからだ。個別の事業はそりゃ具体的ですよ。具体的にしないと実施できないから。でもそれを取りまとめる全体的な方針がないから、単発のばら撒きみたいに見える。

じゃあ何かお前の意見や方針はあるのかよ、と言われると、まだないから余計に困る。リンクの通り、何年か前からそういうことに対して自分なりの意見をまとめたいと思っているけど、いまだにまとまらない。

|

« リンク付の雑談を3つばかり | トップページ | 再掲載:当日券に10のお願い »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« リンク付の雑談を3つばかり | トップページ | 再掲載:当日券に10のお願い »