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2013年11月17日 (日)

青年団「もう風も吹かない」吉祥寺シアター

<2013年11月17日(日)夜>

近い将来、極度の円安の進行と外国の経済繁栄により、国力の衰えが目に見えている日本。その反映で、青年海外協力隊の制度が次回から中止になる。この協力隊最後の訓練生の、3ヶ月におよぶ訓練中の休日に交わされる会話を通した人間模様など。

よくこんな設定を思いついたものだと思ったら、平田オリザが実際に仕事で見学して思いついたとは当日パンフより。国力が衰える日本と、なのに援助する日本、それが巡り巡って日本の衰えに拍車をかけることにもなる協力隊という立場を選んだ訓練生たち、という表の流れ。それと表裏一体になったり、ならなかったりする個人の葛藤、という裏の流れ。観て感じる以上にいろいろ稽古しているんだろうな。「贅沢な施設」という台詞があって、実際に豪華に見えるけど、建付けとしては結構そうでもなさそうな美術がよい。やっぱり青年団は本公演は見逃してはいけない。ツアーは1月から、首都圏だと2月に2日だけ上演するので見逃した人はそちらで。

この芝居は大学の卒業公演に「卒業公演に相応しくない、夢も希望もない策本を書いてやる」といって書いたらしい。そういえば、訓練生があと1ヶ月で世界に散っていく設定が、卒業公演と重なる。けど、この5年後に書かれた「眠れない夜なんてない」に較べたら、ずっと希望のある芝居に思えた。根拠のない楽観を煽るのではなく、不安を感じる人の背中を押す要素を持つ芝居として、イキウメの「獣の柱」に近いものがある。そういう点は、やっぱり卒業公演を配慮したのか。

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