DULL-COLORED POP「アクアリウム」シアター風姿花伝(ネタばれ少々あり)
<2013年12月15日(日)昼>
都内練馬区某所にあるシェアハウス。大家を含めて6人が住んでいるが、定職に就いているのは大家だけである。年末にクリスマスパーティーを開催しているところに刑事が訪ねてくる。予告通り魔事件の書込みがこのシェアハウスの共用PCから書きこまれたという。
シェアハウスの共用スペースを舞台に、刑事の登場をきっかけとして繰広げられる住人たちのいさかい。ウェルメイドな芝居に70年代-80年代の暑苦しい演技を入れるとか、しゃべるワニとトリとか、あれだけ自由に混ぜられるのは小劇場ならではだけど、それが仕上がりとして統一感を持つというか、やっていることに比べて違和感が少ないのが不思議。引いた存在感を出す東谷英人と、問詰める中村舞がいい感じ。ただ、あれで法務部勤めとか、設定が甘いとは突っ込んでおく。
よくも悪くも非常に感想の書きづらい芝居。なぜかと考えるに、シェアハウスの住人の問題の話から、ゲスト役者の登場する場面への展開がかなり唐突というか強引で、しかもどちらも話のウェイトが重いから(さらに言えば刑事を茶化すのも入っている)。今回、「XXで暮らしたい」「できるわけねえだろ」(大意)という場面があって、突込みタイミングが完璧すぎて笑いを誘っていたけど、あの台詞を成立させるだけで一本の芝居になるくらいの珠玉の台詞だったので、個人的にはシェアハウスの話だけで押してほしかった。後者の場面は、言いたいことも分かるのだけど、あれはあれで別の芝居にしたほうがよかったのでは。今後を暗示するラスト場面も素晴らしかっただけに、なおさらそう思う。
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