2013年下半期決算
恒例の年末決算です。
(1)葛河思潮社「冒した者」神奈川芸術劇場大スタジオ
(2)シス・カンパニー企画製作「かもめ」Bunkamuraシアターコクーン
(3)M&Oplays主催・製作「悪霊-下女の恋-」下北沢本多劇場
(4)芸劇eyes「God save the Queen」東京芸術劇場シアターイースト
(5)青年団「もう風も吹かない」吉祥寺シアター
(6)イキウメ「片鱗」青山円形劇場
(7)パラドックス定数「殺戮十七音」荻窪小劇場
(8)Bunkamura主催「マクベス」Bunkamuraシアターコクーン
(9)DULL-COLORED POP「アクアリウム」シアター風姿花伝
(10)橋爪功企画製作「犯罪」東京芸術劇場シアターウエスト
以上11本、隠し観劇はなし、チケットはすべて公式ルートで購入した結果、
- チケット総額は46900円
- 1本あたりの単価は4690円
となりました。上半期の11本とあわせると
- チケット総額は100300円
- 1本あたりの単価は4776円
です。本数的には予定に収まったけど、下半期は、スケジュール的には行けたのに体調不良で見逃した芝居が多くて損した気分です。
そんな中で観に行った中にはレベルの高いものもあり、よくわからないものもあり、だいたい半々でした。当たりの芝居は甲乙つけがたいのですが、なら満足したかというと、少し違う。そういう点では「もう風も吹かない」は割と近いのだけど、やっぱり少し違う。
橋爪功が朗読したためもあるのだけど、「犯罪」の3本の小説のフォーマット、事件が解決して一件落着になるようなものではなく、その事件が起きるまでの加害者の軌跡を丹念に追って、加害者の理由があることを丁寧に説明するあの流れ、あれがとても今時だった。あれが本国で出てきたのは2009年らしいけど、あれは世の中に出るべくして、というか、世の中が求めて出てきたんじゃないか。
そして今見返してみると、ハッピーエンドの芝居がひとつもない。細かく観れば「God save the Queen」の1本がほのぼのしていた、というくらい暗い話が多い。ネタばれで書くけど、ラスト場面が自殺、自殺、殺人未遂、事件自殺その他、経済破綻、呪い、精神病院入院、討死、出頭、有罪自殺計画的無罪って、揃いすぎだろ。暗い芝居が自分を呼んだのか、自分が暗い芝居を求めたのか。今を伝えるメッセージがほしいのは自分か。とか考えると、年間では「獣の柱」がやっぱり一番だったと思う。あと、橋爪功の朗読はぜひ定番化をお願いします。
もう勢いでついでに書きますけど、仕事が忙しすぎて体調やられて心まで枯れた1年でした。病気にならないのが精一杯で、芝居を観に行く体力もない時期もあった。この決算自体、長年書いてフォーマットもある程度決まっているからいいですけど、ぼーっとしながら書いています。仕事はあとちょっとで切りあげられるので、そこから先はしばらくサボらせてもらわないと体か心が死ぬ。この激動の時代に体調不良とか、二日酔いに迎え酒してフルマラソンを走っているようなものだ。体には休息を、心には潤いを。その一環で2014年も年間24本を目標で。その本数が減っても構わない。
誰に何を宣言しているのかよくわかりませんが、これからも引続き細く長くのお付合いをよろしくお願いします。